「人との縁が財産」仁木町で起業し、仁木町の更なる可能性を模索する

北海道仁木町

きくち つかさ

菊池 司

北海道美唄市出身、札幌育ち。国内大手旅行企業で長年、法人営業として勤務。退職後は、仁木町地域おこし協力隊(観光協会 事務局長)として活躍し、その後、株式会社リッチランズを設立。現在は同社の代表取締役として、海外事業を含めた様々な事業を展開している。

一どんな活動をされていますか?

現在の事業は、農産品の加工や輸出、農産品のブランディング、M&Aに関する事業、国内外の企業の仁木町への誘致など、多岐に渡ります。

昨年から農産品の輸出を始めて、今年はマレーシアへ約400kgのシャインマスカットの輸出を行いました。この事業を始めて気が付いたことがありますが、仁木町のシャインマスカットは、本州の産地(例えば長野、山梨、岡山など)と比べて、収穫時期が一番遅くなることです。

ということは、クリスマスやお正月などの需要が高まる時期にあわせて、最盛期のシャインマスカットを海外に輸出することができるため、他の産地よりも仁木町産の物の方が、味・品質共に最高の物を輸出することができ、良い条件で取引ができることになるのです。

一今やっていることについての課題はなんですか?

「どうやって事業に付加価値を作っていくのか」ということです。
展開している事業内容がいつまでも上手くいく訳ではないため、常に次の手段を考えていかないといけません。

現状、シャインマスカットの輸出事業は順調ですが、例えば、新しい品種のブドウを植えても5年ほど実がつかないため、先の事を考えてやっていかないとまずいという認識を持っています。アイディアはありますが、私自身は農園を持っていないため、農家さんとの協力が必要不可欠となります。

また、仁木町には外部から資金の流入がないため、国内外問わず資金を仁木町へ入れる必要があります。行政と一体となり企業誘致を行っていますが、実現できていないため、インフラの整備によるアクセスが良くなった点を活かせず、勿体ないという気持ちです。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

農家さんの高齢化が進んでいるため、後継者や人手不足の問題も考えていく必要があります。

例えば、Modisさんのような企業が農業法人を立ち上げ、行政と一体となってITを活用したスマート農業など、新しい農業モデルを立ち上げてもらえると良いですね。荷を詰めば集荷場まで自動で車が走っていく、データを収集、分析して農作物への水やりを自動で行うなど、テクノロジーを活かした取り組みを行ってもらえると助かります。

実際に現場を見て頂いて、農地や農作業を勉強し、提案して頂けることを期待しています。仁木町では、ITの技術を活かす機会は沢山あると思っています。

一今後の目標はなんですか?

もちろん可能性のあることは、何でも取り組みたいと思っています。実は仁木町でもサツマイモ作りを始めたので、次は加工品の製造を検討しています。そうやって新しいアイディアを考えていると、私自身やりたいことが沢山あります。

仁木町をご覧頂いてわかる通り、こんなに風光明媚なところはなかなかないでしょう。仁木町は可能性の塊だと思っています。そこをどういうふうに活かしていけば良いかを考えていかないといけないと思っています。

そして、やはり人との縁が私の財産です。人との縁から仕事が広がり、今の事業があります。今年は、海外から私の友人が北海道に訪問する予定がありますので、同行していろいろなビジネスの提案をしようかなと思っています。長年、営業をやってきた経験を活かし、これからも縁を大切に仁木町を盛り上げていきたいと考えています。

編集後記

人との縁を大切にしながら、国内外問わず様々な事業で活躍する菊池さんですが、約3年ぶりに仁木町で開催されたイベント「傳統文化とワインの夕べ」の企画運営に携わるなど、凄まじいバイタリティに改めて驚かされました。
ご本人曰く、会社員時代の3, 4倍働いているとのことで、仁木町を盛り上げる菊池さんの更なるご活躍に目が離せません。

-コーディネーター紹介-

ID 北海道仁木町

にしむら まさゆき

西村 雅幸

2019年にModis(旧VSN)へ入社し、インフラエンジニアとしてシステムの導入からシステム設計に従事。
2021年からパブリッククラウドの提案や設計を行っている。地方創生VIの活動理念や地域課題の解決に貢献したいとの理由から2022年3月に本活動へ参加。