一どんな活動をされていますか?
2021年に観光業の民間企業から転職して仁木町役場に入庁しました。 入庁当初は民間での仕事と役場での仕事はまるで海外で仕事しているかのようなギャップを感じていましたが、役場ならではの町民との関わりや業務の範囲の広さを経験して、ギャップが楽しさに変りました。
現在は町内、道内だけでなくインバウンドの外国人向けにアピールしていくための基礎作りとして仁木町の産品のアピール活動や特色を生かしたイベントの開催などのプロモーション活動をしています。
一今やっていることについての課題はなんですか?
仁木町には上質な果樹や小樽からニセコまでの観光ルート上にあるという利便性の強みを持ちながら町外の方へのアピールができていません。町民からしたら当たり前のことであるため自覚できていないかもしれませんが、町外から来た方にはかなり魅力的だと思います。
また、小さい役場では広告など訴求力が乏しくなりがちなので、民間の観光事業で培ったPR・プロモーション活動の経験を活かしていきたいと思います。
今回の「伝統芸能とワインの夕べ」は大きなイベントではないですが、仁木町で初めてのイベントなので、伝統芸能と地域の産品をマッチングした面白い取り組みで町の魅力をアピールできるよう創意工夫をしました。
一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?
今回のイベントでアンケートをデジタルで収集したように、まずは身の回りのできるところから始めていき、デジタルを促進していきたいと考えています。
民間企業に勤めていた時はインフルエンサーを起用し、SNSを活用したプロモーションを行ったり、キャッシュレスや自動決済システムなどを導入してデジタルを活用した業務の効率化に関わっていました。しかし導入の矢先にコロナ禍になり中途半端に終わってしまいました。国ではデジタル庁などデジタルの活用が推進されていますが、小さい役場はまだまだ紙文化のところがあるため大きなシステムの導入は今後の課題です。
一今後の目標はなんですか?
仁木町の観光面での魅力を他方に認知されるようにアピールしていきます。やはり役場だけで動いても町民さんとの温度感にずれが生じやすく、また民間企業だけでも役場との間に温度差が出てしまいます。今回のようにModisさんのようなさまざまなノウハウをもった協力者が必要だと感じています。
我々、役場だけでなく仁木町で言えば観光協会、地域おこし協力隊、地元の観光協議会などの関係団体とModisさんのような町の魅力を知っている第三の企業と連携して柔軟な施策を生み出せるようにしていきたいと思います。最終的には地元の民間企業だけで自走できることが理想です。そのため、今回のワインイベントがその第1歩になるのではないかと期待しています。
編集後記
今回のインタビューで吉江さんから「地元の人は当たり前すぎて、気付いていない魅力がある」という話は、我々が地方創生VIの3年間の活動を通じてもすごく共感できるところがあります。吉江さんのような観光のプロフェッショナルの方のノウハウを用いて仁木町の魅力を発信していくことでより大きな波を起こせると思いました。
新たな仁木町のキーマンになり得る方を発見できました。