先生も生徒も取り残さない、GIGAスクール構想の推進者

北海道仁木町

やまうち さとし

山内 智志

北海道岩内町出身の先生。ご自身が中学生の時の先生に影響を受け、人の役に立てる仕事でやりがいがあると思い教職へ。小樽、岩内の学校に赴任し、現在の仁木町で3校目(仁木町は5年目)。2022年で15年目のベテラン先生。

一どんな活動をされていますか?

現在は小学校5年生の担任をしています。学校はiPadを導入していて授業はロイロノートを中心に利用しています。活用方法は日々やりながら模索していますが、自分も生徒も楽しく効率的に使えることを念頭に置いています。また、後志のICT研修の講師もしており、少しでも先生方に活用いただけるように様々なシーンの活用方法についてお伝えしています。

一今やっていることについての課題はなんですか?

研修をしていて「ICTは良いものだと思うが最初の1歩がなかなか踏み出せない」という方もいらっしゃるなど、実例の紹介をしても実践が難しいということがあります。同じ学校内でも得意な先生はどんどん活用し、苦手な先生はなかなか進まないという活用度合いに差がある話も聞いたりしますのでそこが課題だと思っています。

また、各町村において利用している端末もアプリも違うので、一括りにして研修をやるというのが難しいと感じています。これは全国的に言えると思いますが、先生方も転勤をするため、1つの学校で利用方法を覚えても別の学校で違うシステムを使っていたらまた覚えなければならないことも課題だと思います。加えて、これも各町村によって異なると思いますが、個別最適化学習のための整備ができていないというのも課題だと思います。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

もともとGIGAスクール導入の目的に個別最適化がありますが、デジタル端末を使うことで子供たちが自分のペースで学習を進められ、自分の成長を実感できるようになり、その見える化もできるようになると思います。他にも、文字を書くのが苦手な子でもタイピングであれば多くの文字を入力できるようになっていますし、ロイロノートを使って一人一人の意見を集めることで、黒板を写すだけではなく全員参加の授業が実現できていますが、他にもできることは多いと思います。

また、デジタル活用は効率化・工数削減につながると思います。苦手な先生だと覚えることが多く逆に負荷を高めてしまう可能性はありますが、例えばワークシートのペーパレス化によって印刷や添削の時間が削減されるなどの効果は実際に感じています。

一今後の目標はなんですか?

研修によって先生方にまずは使い方を知ってもらい、最初の1歩を踏み出してほしいと思っています。子供たちの使い方については、重複しますが一人一人にあわせた学習ツールが入っていて、その進捗状況が個人・全体それぞれ先生方にも見えてコメント・レスポンスできるようになれば、子供たちの意欲向上にもつながると思っています。この実現には現場(学校)と教育委員会とでざっくばらんに話し合いをしながら目的をあわせて進めていきたいと思っています。

編集後記

お話を伺っていくほど本当に様々な事を考えていらっしゃることがわかり感銘を受けました。後志での教員向け研修や授業での実践もしつつ、今後どのようなことをしていくべきかをメリット・デメリットや実現可能性も含め考えていらっしゃいました。お話の中でご自身が中学校の時に熱い先生から影響を受けたというお話がありましたが、子供たちの成長のために邁進していこうという山内先生の熱い気持ちが伝わり、気持ちが引き継がれていると感じました。

-コーディネーター紹介-

ID 鹿児島県薩摩川内市・北海道仁木町・福島県矢祭町

あさい まさし

浅井 将史

千葉県出身、1982年生まれ。
2012年 株式会社VSNへ入社し、ITエンジニアとして就業しながらVI活動を推進。
2019年 地方創生に興味を持っていたところ、社内で地方創生VIのプロジェクトが発足されたことを知り鹿児島県薩摩川内市チームとして参加。
薩摩川内市の経験を活かし、2020年から北海道仁木町チーム、2021年から福島県矢祭町チームとして参加。