一どんな活動をされていますか?
東神楽町に住む地域住民に対して、主に消費者を取り巻く問題や巻き込まれやすいトラブルなどの事例を定期的に紙媒体で発信し、注意喚起を図っています。実際に抱えている問題がある消費者から相談を受けて、専門機関に紹介するなどの橋渡しを行っていて、相談者の問題が解決されたときに感謝されることが私たちが活動する原動力となっています。
消費者協会を始める際には、運営を自治体任せにするのはやめよう、私たちが楽しく活動できる団体にしようと強く思っていました。近隣の自治体の消費者協会の活動を見学し参考にしながらやってきました。そのほか、SDGsに関連する食品ロスを防ぐため干し野菜を作る方法などについての情報発信や衣類の回収なども活動の一つです。
一今やっていることについての課題はなんですか?
活動に参加する若い世代のメンバーを増やすことです。最初はPTA、公民館活動で出会った3人で始めてこれまでやってきていますが、子育て世代を含む若い世代の会員数が減っているため将来的に活動を続けられるかが心配です。今はメンバー60人ほどの規模となっていますがメンバーの高齢化も進んでいます。
ボランティア活動とは本来、自身が参加できるタイミングで無理をせずに続ける活動ですが、参加者としては一定の出席をしなくてはならないのでは、と気にする声も聞こえてきており心理的なハードルがあるように感じられています。消費者協会を発足した当初から活動状況はワープロソフトの”一太郎”で紙の資料を作り町の広報と一緒に配布していますが、若い世代に情報を届けるためにSNSを活用することも課題だと思います。
一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?
地域住民が消費者として安心して生活できると思います。北海道消費者協会との会議などはすでにZoomを利用したリモート会議を実施したり、情報共有やコミュニケーションのツールとしてLINEを活用しています。もともとスマホを持っていて、子供たちからLINEの使い方を教えてもらったりしていたので抵抗はありませんでした。
シニア世代のスマホ活用については、ここ5,6年メンバー内でスマホ相談会をしたりお互い知っていることを教え合うことで新たな人と人のつながりもできてきていますので、助け合っていくことが有効なのだと感じます。新聞やニュースなどで広く知られている世界最高齢のプログラマーである若宮正子さんを札幌にお招きして講演をしてもらうなど、ITや情報に実生活で触れながらお互いに学び教え合うことで楽しみながらやっていきたいです。
一今後の目標はなんですか?
このまま行政と連携して町民の福利厚生を支えていきたいです。消費者協会の活動ももっと地域の住民に認知してもらう必要があります。成人年齢が18歳に下がったので、例えばスマホの課金でのトラブルなども報道されていると思いますが、その世代が契約の重要性や金銭の取り扱いに関して理解を深めてもらえるような働きかけを続けていきたいと考えています。
他にもSDGsに関連して、フードバンクなどで余っている食料を困っている方達に届ける仕組みなどはどういったかたちで実現できるかを検討していくことはやっていきたいです。何よりも自分たちが楽しくやっていくこと。生きている限りみなさんが消費者であり、他人事ではないので、行政や若い世代の方達と連携してこの先も活動を継続していきたいです。
編集後記
消費者協会発足当初から自身が楽しむことを大事にされていて、ボランティア活動という利他の精神で行動されていることに非常に感銘を受けました。心が豊かで、とても素敵なことだと思いますし、同世代の他社と比較すると若々しく、ポジティブなエネルギーが感じられました。 ITについても決して敬遠せずに、できる範囲でいじりながら助け合って覚えていこうというスタンスが、シニア世代のスマホ活用という同じ悩みを抱える他の自治体への一つの示唆となるのでは、と感じました。