70代からの積極的なタブレット活用の秘訣

宮崎県都農町

かわの のりこ / こばやし しずこ / かわの ていこ / かわの としこ

河野 則子 / 小林 シズ子 / 河野 テイ子 / 河野 敏子

・河野 則子
 自身としてデジタル端末を手にしたのは町で配布されたタブレット端末が初めてではあったが、LINEでお友達と交流をしているうちに写真編集などに興味が沸き、主体的にデジタルライフを楽しんでいる。
・小林 シズ子
 タブレット教室の一員。
・河野 テイ子
 タブレット教室の一員。
・河野 敏子
 タブレット教室の一員。

一どんな活動をされていますか?

(則子さん)
週に1回開催されるタブレット教室に参加し、町から貸与されているタブレットを普段の生活でも積極的に利用しています。
以前からテレビで見たタブレットを使ってみたいとは思っていましたが、貸与された当初は電源の入れ方さえも分からない状態でした。でもタブレットの不具合が起きた時に対応してくれた孫世代の若者が一生懸命に調べてくれて「若い人が頑張っているんだから自分も頑張らないと」と思ったことをきっかけに、現在はLINEでスタンプを送ったり送信する写真を編集したり、Googleで検索をしたりなど多くのことが出来るようになりました。

教室ではタブレットの持ち方から始まり、脳トレで遊びながら基本操作を習得し、カメラ、LINEと少しずつ難度を上げています。編集した写真をグループLINEに送ってお友達と見せ合いっこをしたり、操作で不明点があるときはLINEで先生に聞くなどしてタブレットを積極的に活用し、教えてもらったことを実践しています。 

(テイ子さん)
友達からタブレットでゲームをしているという話しを聞いて、私もゲームをしたいと思ったのがきっかけで教室に参加するようになりました。「友達が出来ているのに私が出来ないわけがない」という前向きな気持ちで取り組んでいます。途中で嫌になる時期もありましたが、せっかくここまで出来るようなったのに半端なところでやめられないと頑張っています。

一今やっていることについての課題はなんですか?

(則子さん)
周りの同世代でタブレットを使っている人をあまり見かけません。せっかくなのにもったいないなと思います。こればっかりはやる気がなければどうしても続かないので、自分から進んでやってみようという気持ちがないと難しいですよね。でも、私たちが出来るので誰でも出来ると思うんです。

(小林さん)
世代が同じ人がタブレットを使っているのを見ると私もやりたいと思います。ですがほかの人を誘っても「自分にはできない」と言われてしまいます。

(テイ子さん)
教えてもらった直後はその通りに操作が出来ても、時間が経つとすぐに忘れてしまうのでタブレットに毎日触って習慣化させる必要があります。習慣化するために、はじめは特に根気強くならないといけません。
もうちょっと他のみんながタブレットを使えるようになりたいと思ってくれたらいいなと思います。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

(則子さん)
お友達のなかで教室に参加できない人がいるときはさらに1週間空いてしまうので、個人的にLINEを送るようにしています。間が空くとどうしても忘れてしまうので、みんなで話し合ってそれぞれ送るようになりました。そうするとしぶしぶでも返事をしてくれるので継続してタブレットに触れるいい機会になっています。
また、グループLINEは練習の場としても活用しています。スタンプや自分で編集した写真を送ったり、先生から出されたタブレット操作の宿題をして実践しています。
実は、私もタブレットが配布された当初は見る気もしませんでした。スイッチの入れ方も分からないため手こずったのですが、「他の人がみんな出来るんだから私だけ出来ないはずがない」と思い、もう一回やってみようと努力しました。

(敏子さん)
タブレットの練習を始めてから新しいことへの抵抗が少なくなりました。近所のスーパーにある無人レジも利用しています。以前は「機械は怖い。間違ったらどうしよう。」と思っていましたが、タブレット操作という新しいことへ挑戦している最中なので、ハードルが低くなったように思います。現在は見様見真似で操作を覚えています。

一今後の目標はなんですか?

(則子さん)
調べ物をどんどんしていきたいです。現在進行形で新聞やテレビで出てくる英語や横文字をタブレットで検索し、ノートを用意しているので調べたものをメモしています。”単語 スペース 単語” でピンポイントで調べることが出来ますし、忘れても検索履歴にも記憶にも残るので自分で調べ物をするのに最適ですね。
ただ検索は便利な反面、いろいろな人がいろいろな事を書いているため嘘が書かれていることもあります。特に病気や政治に関するものは鵜呑みにするのではなく、テレビや新聞の情報も見て取捨選択する必要がありますよね。

(敏子さん)
辞書代わりにも使えるのがいいですよね。辞書だと字が小さくて見づらいですが、タブレットで検索すれば拡大できるので助かっています。

(テイ子さん)
以前はYoutubeで体操を検索してタブレットで動画を見ながらやっていました。ですが最近は忘れてしまっているので、また自分で検索して目の体操などを頑張りたいなと思っています。

編集後記

「若い人が頑張っているのを見て、自分も頑張らないと。と思った」と話してくださったことがとても印象的でした。初めは電源の入れ方も分からなかったという皆さんもタブレットを貸与されてから約半年間で、LINEでスタンプを送ったり写真を編集したり、インターネットで情報収集が出来るようになり、積極的にデジタルライフを楽しんでいます。皆さん非常に好奇心と探求心が強く、幾つになっても楽しみながら学んでいる姿に私自身勇気と元気をもらいました。
また、教室に来ることが出来なかった人には個別で連絡してフォローし合っていて、お互いが気に掛ける関係性が、まさしくデジタルが人と人を繋いでいる事例の一つだといえるのではないでしょうか。デジタルで暮らしを豊かにすることを体現していて、とても素敵だなと感じました。

-コーディネーター紹介-

ID 宮崎県都農町

みなみ のぞみ

南 希美

2020年10月に株式会社VSN(現:Modis株式会社)にIT未経験で中途入社。
現在はセキュリティオペレーターとして監視業務に従事している。
地方出身者であり、自治体で災害復旧事業の事務補助として従事していた経験から、住民が
安心して生活でき、より住みやすい地方にするお手伝いができればと思い地方創生VIに参加。
趣味は旅行とドライブ。ご当地ソフトクリームに弱い。