都農町を“戻る場所”へ! ~都農町にIターンした若き躍動者~

宮崎県都農町

もりやま みゆき

守山 みゆき

もともとは福岡出身で、大学進学を機に上京。その後、J.FC宮崎が拠点を都農町に移す際にお誘いがあり、仕事内容に魅力を感じたため、地域おこし協力隊として都農町へ移住をする。それまで都農町のことは知らなかったが、サッカーチームで働くことに魅力を感じ移住を即決。現在は地域おこし協力隊として移住定住に関わる業務やツノスポーツコミッションの広報活動等多岐にわたる業務を担当している。

一どんな活動をされていますか?

現在、地域おこし協力隊として、一般社団法人ツノスポーツコミッションに所属しています。

ツノスポーツコミッションでは、“地域の課題をスポーツを通して解決する”をモットーに、つの職育プロジェクトを推進しています。このプロジェクトは、都農町・株式会社J.FC宮崎・一般社団法人ツノスポーツコミッションの三者で、互いの課題をそれぞれの持つ資源によって解決します。例えば練習場の少なかったJ.FC宮崎を都農町に誘致して練習場を確保する、選手に仕事を斡旋し、セカンドキャリアを描きやすいようサポートする。これが都農町の課題である少子高齢化やそれに伴う労働者不足の解消に寄与しています。

また、都農町の広報誌である【広報つの】の制作や、移住定住に関する業務等も行っています。移住については、まず都農町を知ってもらい、関係人口を増やすためにSNSでの発信やイベント実施等を行いました。その後移住者を増やそうと思ったのですが、都農町には家がありませんでした。建物自体はあるのですが、空き家になっていたり、荷物を置きっぱなしにしていたりして移住者の住むことができる家がなかったんです。そこで、現在は空き家の管理や草刈り等を行うことで、移住者向けの住宅不足解消を目指しています。

一今やっていることについての課題はなんですか?

1つはツノスポーツコミッションの活動内容をもっと広めることです。月1回活動を紹介する新聞を発行していますが、まだまだ多くの人に知ってもらいたいです。知ってもらうことで、つの職育プロジェクトを理解し協力してくれる人を増やしていきたいですね。

また、地域おこし協力隊の任期が満了すると、仕事も一緒に無くなってしまうというのも大きな課題ですね。移住や定住をするためには家と仕事が欠かせませんが、その仕事が3年任期満了後には無くなってしまい、次の仕事が見つからない。これではどれだけ都農町に愛着を持っていたとしても定住へのハードルは高いと思っています。

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

ツノスポーツコミッションの活動を知ってもらうことで、町民から賛同や協力を得られると思います。住民一人一人が積極的に関わってくださることで、例えば「就業体験でお世話になったあの人のいる都農町に戻ろう」ということもさらに起きやすくなるかもしれませんし、活動にご理解いただけた方が例えば協力隊以外の人材斡旋サービスを活用いただくことで、私たちとしても持続可能な組織運営・ひいては持続可能なまちづくりができると考えています。昨年つの職育プロジェクトが「スポーツ・健康まちづくり優良自治体表彰2022」を受賞しました。これを足掛かりに、広報活動を行っていきたいですね。

また地域おこし協力隊の任期満了後、担えるような仕事が少ないという課題を乗り越えることができれば、現在移住している地域おこし協力隊の定住率が上がるかもしれません。例えば任期中にITを学ぶことで、ITで町の課題を解決する、そして満了後はその知識を生かしてエンジニアになるというビジョンを描く等でしょうか。

一今後の目標はなんですか?

個人的には、定住者を増やすことはとても難しいことだと思っています。それぞれのキャリアの中でライフスタイルが変化し、町を出る理由はたくさんありますので。そのため、定住してもらうことだけにこだわるのではなく、一旦何かの事情で町を出たとしても、その後帰ってきたくなるまちづくりがしたいと思っています。

都農町はご飯もおいしく、自然も多い、そして人が温かいという素敵な町ですが、それだけじゃない、新たな魅力を提示していきたいです。例えば「この町にはサッカー選手を引退した後こんな活躍をしているAさんがいます!」とモデルになる方がいるとか、アデコグループが北海道東神楽町と行っているように「都農町の地域おこし協力隊は、任期満了後エンジニアとして仕事を受託できます!」と言える町になっていくと、とても魅力的ですし、移住者も増えていきそうですよね。

編集後記

守山さんはとても都農町にかける思いが深く、どうすれば都農町が移住定住の候補地になるのか、都農町の課題を解決するためには何ができるのかについて、とても熱く語っていただきました。あまりの熱い思いや活動内容のすばらしさについついこちらもどんどん質問し、当初予定していたインタビュー時間を30分近く超過してしまうほどでした。守山さんのようにまちを本気で考えられる移住者の方やそれに賛同し協力する方が増えていくことで、きっと都農町はより魅力的な町になっていくと強く感じました。
またお話しいただく中で、別の方がインタビューで口に出されていた課題を守山さんたちであれば解決できるのでは?という気づきがあったり、アデコグループでご協力させていただけそうな課題が出てきたりと、今後守山さんたちと行う地方創生活動にワクワクしています。

-コーディネーター紹介-

ID 宮崎県都農町

かとう そういち

加藤 壮一

2021年6月にアデコ株式会社へ中途入社。主に社内向け人材育成を担う。
地方創生VIは2022年4月から参画。
人見知りにも関わらず研修講師に挑戦したり、高所恐怖症にも関わらずスカイダイビングに挑戦したりと好奇心旺盛な性格。
現在は落語に挑戦中。半年後の発表会やいかに。