矢板市民に矢板市の魅力を体感してもらいたい

栃木県矢板市

しらいし もりひと

白石 盛人

祖父の代から続く、林業の家系に生まれ、現在は矢板市北西部の山間部を担当する林業の専務業をこなしながら、たかはらの森管理グループに所属し『山の駅たかはら』の責任者を兼任している。生まれも育ちも矢板市であり、林業の家系という事から、高原山での野外アクティビティを知り尽くしている。 過去にも一度、

”林業の若き革命家”

としてインタビューさせて頂いているので、こちらも是非!

一どんな活動をされていますか?

栃木県北部に位置する八方ヶ原の『山の駅たかはら』の責任者として、行政も交えた、山の駅たかはらでのイベントの企画・運営を実施しています。八方ヶ原の自然豊かな環境を活かして、アウトドア体験・サファリツアー・サイクルツアーなど様々な角度から、年間14~15回程度のイベントを実施していて、八方ヶ原の魅力を発信しています。

また『山の駅たかはら』で、キャンプ場も2023年オープン予定として整備を進めております。今年度は特に、“ナイト”に注力していて、八方ヶ原の夜の景色(星空)を伝えていきたいと考えています。

一今やっていることについての課題はなんですか?

矢板市民の多くが、八方ヶ原の魅力を知らない事が問題だと思っています。

矢板市の市街地からも中途半端に遠いため、地元民でも足を運んで訪れる人は少ない。『おしらじの滝』でさえ、すぐ近くに住んでいる地元民ですら「綺麗らしいよ」と言うだけで、ほとんどの人が見たことの無いというのが、実情になっています。

今は”ナイト”に力を入れていると言いましたが、自分自身も、空に近い場所から見る星空の景色は全然違うという事を、山の駅たかはらの管理をしてから知る様になったのです。本当にキレイなんです!しかし、この凄さは写真じゃ伝える事が出来ず、もちろん言葉でも伝えられない。実際に足を運んで来て貰わないと、八方ヶ原の魅力を感じてもらう事は出来ないと考えています。

矢板市は自然豊かな山・森・川がある。なので、野外アクティビティにおいて“出来ないものは無い”と思っているんです。
「なんでも出来るエリアなんだけど、人が来ない」
矢板市民はその魅力を知らないまま、「矢板市には何も無い」と思っている人が多くいます。その土地の魅力をその土地に住んでいる人が知らなかったら、盛り上げていく事も出来ないと考えています。

  • おしらじの滝(矢板市公式ウェブサイトより抜粋)

一課題を乗り越えたらどんな可能性がありますか?/ITを使ってできそうなことはなんですか?

PRと言う部分に関しては僕らも苦手な部分を持っています。現状は業者を通じての発信であったり、「体験してもらったお客様にSNS等で発信して貰えれば。」という状態であります。ただ、一時的な広告を出すことよりも、まずは『地元の人が体験してくれて、魅力を感じて貰えるようにしたい』です。

日光に住んでいる人に「日光の魅力は?」と聞いたら、すぐに答えられると思うんですよ。矢板市民には、それが無くて……。矢板市に住んでいる人が「矢板には何もない」という意識を、「矢板には”〇〇”がある!」と言ってもらえるような状態にして、地元の人が自発的に発信してくれる環境が一番良いと思っています。

一今後の目標はなんですか?

まずは“中途半端に遠い場所”という立地条件を活かして、矢板駅から『山の駅たかはら』までe-bikeを使って登っていくツアーなども実施していきたいです。日光や那須でやっている様なイベントは八方ヶ原でも出来ると思っています。しかも、日光や那須ほど人や車の通りが少ないからこそ、安全にゆっくり景色が堪能できるイベントが開催出来る。「わざわざ、日光や那須に行かなくても、地元で楽しい事が出来る」という事を伝えていきたいです。

また、今後は地元の人に魅力を知ってもらうために、学校で遠足などの課外活動等で、山の駅たかはらを利用してもらい、『地元の子供たち』にしっかりと魅力を知って貰えたらなと考えております。

矢板市を盛り上げていくためには、矢板市民が地元の魅力を知っていることが重要だと思っています。【イベントを通じて1人でも多くの矢板市民に八方ヶ原の魅力を知って貰いたい!】というのが今の原動力になっております。

編集後記

白石さんとインタビューした中で、一番強く感じたのが、『矢板に対する地元愛の強さ』です。これは、「子供の頃からずっと住んでいるから」という理由だけでは無く、ご自身の体験を通じて、矢板市の魅力を肌で感じている所から生まれてくるのかなと思いました。雑誌やSNSで得た知識ではなく、魅力を体験することで、その土地を本当の意味で好きになっていく。という事を知ることが出来ました。私も、矢板市に住む1人の住民として、多くの魅力に触れていきたいと考えます。

-コーディネーター紹介-

ID 栃木県矢板市

おおたに あきひろ

大谷 聡宏

2010年4月に株式会社VSN(現:Modis株式会社)に新卒入社。メカトロニクスエンジニアとして、主に自動車用部品の開発業務に従事している。
2018年4月より、F1向けエンジンの設計業務に従事する為、矢板市に移住。世界一のエンジンを設計したエンジニアの1人として開発業務を続けつつ、自身の住んでいる矢板市を盛り上げたいという気持ちで本活動に参画。