幸せになるため、自分たちは何ができるか

福島県矢祭町

そうだ こういち

宗田 浩一

福島県矢祭町出身。1972年生まれ。学生時代を京都で過ごし、卒業後に東京で就職。8年間サラリーマンをした後、30歳の時に故郷の矢祭町に戻ってくる。そうだ商店5代目。

一どんな活動をしていますか?

矢祭町の東舘地区でそうだ商店を経営しています。そのほかに商工会の理事と、商店会の会長と商店街で取り組んでいるスタンプ会の役員をやっています。
商店会としては、商店会加盟店がプランターに花を入れてお店の前に並べる環境美化運動や久慈川沿いの草刈りをやっています。また天王祭というお祭りの時には、「ふれあいや祭り実行委員会」を作り、商店会が中心となって色々な売店やビールを出して、地域づくりのためのイベントを行っています。

一はじめたきっかけはなんですか?

自分たちの商売よりも地域を創生していくこと、守っていくことが、やっぱり自分たちの商売をこの地域で守っていくことだと思うんです。商売の経営環境を整えていくことが我々の結局は生き残るための環境づくりだと。だから一生懸命やる。そういう想いで、先輩方の意思を受け継いで、今こういうことをやっているし、地域の人や子供たちにも伝えていきたい。

商店会の活動の1つが環境美化運動。商売をする上で、いい環境を作ることは大切なことだよね、という気持ちでやりはじめた。加盟店が花いっぱいのプランターをお店の前に並べることで、商店街がきれいになる。また、矢祭といえば久慈川。鮎釣りのお客さんなどをお迎えするのに、我々地元の人たちが協力してきれいにしようよ、ということで商店以外の方たちも誘いながら久慈川沿いの草刈りをはじめました。

もう1つ大きな事業として天王祭があります。お神輿だけではなく、地域振興のためのイベントも必要だろうと、矢祭全体のお祭りとして子供たちの記憶に残るようなお祭りにしたいよね、そして大人になってからも、矢祭を離れてしまった人も、そろそろ天王祭の季節が来るぞと、この季節になったら地元に帰んなきゃねと、お盆以外に地元に帰ってくるきっかけをつくりたいなということもあってこういう活動も行っています。高齢化や人手不足など大変ですが、小さな町の熱いお祭りを盛り上げるために、手間がかからないように工夫しながら、去年よりもちょっと盛大にという想いで取り組んでいます。

一一番大切にしていることはなんですか?

幸せになることですね、自分もみんなも。

自分の商売をやっていく上では、商売の環境を整えていかなければならない。誰かのせいとか人のせいって言っていても始まらないから。自分たちでやれることを、草刈りなど環境美化やろうとか、お祭り盛り上げようとか、環境づくりをしていかなきゃならないってなったときに、何のために草刈りやるのか、何のために従業員抱えてやっているのか、って考える。そのなぜを分析していくと、結局行きつくところは自分もみんなも幸せになりたいし、なってほしい。そういう気持ちがあるから、つらくても苦しくても頑張ってみようと自分に言い聞かせている。
幸せって定義がないじゃないですか。自分が不幸だと人のせいって言いたくなっちゃうんですけど、そうではなくって。周りに何かやってくれっていうのはそろそろいいんじゃないか。僕たちがこの地域に対して何ができるか、楽しませないと。一個人としての宗田、そうだ商店としての宗田とか関係なくって、公も私もない。みんなが幸せになれるような地域、お店、人、を目指していかなければならないし、大切にしていきたいところかな。

一今後の目標を教えてください

矢祭町に帰ってくるときに、ここで生きるって覚悟を決めて戻ってきた。お金だけじゃない、なぜか。幸せをつかむためにここにいる。幸せってなんだ?っていうところを追求していきたいと思う。常になぜやるの、どうしてそれをやるのって突き詰めていくと、結果的に楽しいから、人を幸せにしたいから、自分も幸せになりたいから、喜んでほしいから、ありがとうって言ってほしいからというお金の話じゃないところに最終的に行きつく。それが生きることだと思うし。自分と周りの人すべてが幸せになってほしいから。宗田と付き合っていると、つらいこともあるけどたまにはいいことあるなって(笑)、その積み重ねです。100回の苦しみは1回の幸福感で打ち消されると思うんです。
自分が生きた証として残していきたいし、誰かに伝えていきたいし、誰か一緒にバカになってやってくれる仲間を増やしていきたいなと思います。

アピールポイント

そうだ商店のマークは、地域の看板屋さんがデザインしたもの。五角形の形は、5代目と亀の甲羅をイメージしていて、万年栄えますようにという想いが込められている。

-コーディネーター紹介-

ID 矢祭町

こんどうあきこ

近藤秋子

埼玉県松伏町出身。1988年生まれ。前職は鉄道会社職員。趣味は旅行。2020年6月より矢祭町の地域おこし協力隊として、地域内外の人々が交流できるゲストハウスの立ち上げに向けて活動中。