ハチの暮らしに、日々の暮らしを重ね合わせる。

長野県上伊那郡中川村

ヨウホウジョシブ

養蜂女子部

平成28年5月、部長の佐々木さんの呼びかけにより始動。 養蜂技術と、ミツバチの暮らしと人の暮らしとの関わりを多くの人に知ってもらうため活動中。 より自然に近い方法でのハチミツ採取や、ミツロウを使った商品開発など今後の活動が楽しみだ。 女子部の皆さんが所属する「信州日本みつばちの会」は、東北~四国まで全国に1000人ほどの会員がいて、貴重な在来種である日本ミツバチを絶滅の危機から守り、生態を研究している。その日本屈指の飼育方法のノウハウを余すことなく会員に公開している。

一どんな活動をしていますか?

若い養蜂家が増えたら、とハチに興味を持ってもらえるような情報を発信したり、WSを開催しています。 女性でこうして養蜂に取り組んでいる姿を見て、いい印象を抱いてもらい、養蜂を始める人へ裾野を広げたいと思っています。 養蜂女子部では現在2つの巣箱で養蜂に取り組んでいます。 講師(日本みつばちの会の会長はじめ、村のおじいさん達が先生です)に教わりながら、巣箱の清掃・ハチミツ搾り・ミツロウ取りなど、一連の作業を学んでいます。 年に一度中川村で開かれるみつばち祭りで、採取したミツロウと中川村産のひまわりオイルでつくる「みつろうバーム」のWSを開き、好評でした。

一はじめたきっかけはなんですか?

ー佐々木さん 夫の地元である中川村に移住してきて、ご縁があって信州日本みつばちの会の会長である富永朝和さんと出会いました。その時は虫なんて全然だめで、ハチも「刺されるんじゃないか・・・」とこわかったくらいです。 ところが、「やってみれば?」ともらった巣箱に来るハチたちを観察しているうちに、だんだん興味がわいてきたんです。花から蜜を集めては巣箱に戻る、一生懸命なライフスタイルが可愛いな・・・と。そしてあの小さな身体に秘めた生命力にも。 そこで本格的に養蜂をやってみようと思い声をかけたところ、養蜂に興味を持っていた友人が集まり今は5人で活動しています。

  • 養蜂女子部のメンバー 皆さんお子さんを持つお母さん。 豊かな発想を持ち笑顔の絶えないパワフルウーマンだ。

  • ミツバチの巣から採れるミツロウはクリームやキャンドルに変身する。 女性ならではのアイデアで、可愛くおしゃれに発信。

一一番大切にしていることはなんですか?

自然相手なので、すべてをコントロールできる訳ではなく、難しいことがたくさんあります。壁に当たるとその都度おじいさん(先生)達が助けてくれます。そして一生懸命取り組む姿を見て喜んでくれる。 皆さんの知識や経験を大切に、たくさんの人に伝えることで恩返しができたら、と思います。 様々なスタイルを自分たちの養蜂に落とし込んで、悩みながらだけど挑戦する道程を発信して未来に繋げていきたいです。

一今後の目標を教えてください

「ハチは刺したりして怖い」と思う方もいるかもしれませんが、ハチが植物の受粉の役割を担って実った作物を私たちは食べています。そういう風に考えられるとハチを見る目が変わるはずです。 今後はハチに興味を持ってくれた人に対して学習会を開いていきたいですね。 巣箱作りから始まり、一年を通して生態を学ぶWSを開いてゆきたいです。

アピールポイント

ハチは集団で暮らしていますが、色々な役割を持って生きています。 たとえば、蜜を運んで来ては巣にいるハチに渡す係、それをさらに巣箱の内部に運ぶ係、そして外敵から巣箱を守る係など。 機嫌の善し悪しや、表情の違いに気付くことも。ここまで行くとだいぶマニアックですが・・・まずは日本ミツバチと西洋ミツバチの違いからハチの生態に興味を持ってもらえたらいいな。知ったらどんどんハチの奥深さにはまってしまうはずですよ。 写真は、採蜜した後に冬越しの餌の代わりになるように砂糖水を与えたところ。 エネルギーを温存しながら効率よく砂糖水を巣箱に運ぶため、「はしご係」と「運搬係」に分かれている事がわかります。

-コーディネーター紹介-

自分も以前から興味を持っていた養蜂。それに取り組む可愛くてすてきな女性達が同じ村にいたなんて! 「養蜂女子部」があると知ったとき、この村に来てよかったなあと感じました。 そして今回お話を伺った部長の佐々木さんと、玉木さん、お二人ともかなりのハチオタクでいらっしゃいました。好きなものを追求して、もっと好きになって、想いを活動で伝える。あこがれる女性達なのです。色んな事を教えてもらって、ビーキーパーになる夢に一歩前進したいと思います! さぁ、これからこの記事のチェックをお願いしに行くと同時に、「養蜂女子部」の入部届を提出してこようと思います。

ID157 長野県上伊那郡中川村

たかはし しおり

髙橋 詩織

1988年1月6日生まれ。関東で大学生活の後、長野に戻ってアルプス暮らし。 冬は北アルプスで雪まみれ。夏は南アルプスで山小屋生活。その後2016年6月より地元、松川町のお隣村である中川村で地域おこし協力隊として活動中。 野山の食べ物に興味津々。健康的で機能的なおやつ(行動食)作りの研究中。 「おいしく、楽しく。山で暮らすスキルを身につける。」をモットーに、村で獲れた鹿や猪の解体・販売をしています。