新スポーツ「スラックライン」を通じて、人と人をつなぐ

長野県伊那市

カネダ マサキ

金田 正氣

伊那スラックライン代表。1969年5月18日生まれ。伊那市出身。子どもの頃からスキーやベレーボールといったスポーツに励む。休日には登山とバックカントリーも楽しむスポーツマン。

一どんな活動をしていますか?

「スラックライン」を伊那に普及すべく、『伊那スラックライン』というチームを立ち上げて2014年から活動をしています。 スラックラインは木と木の間に張った幅5㎝ほどのベルト状のラインの上を綱渡りのように歩いたり、ライン上でジャンプや宙返りなどのパフォーマンスを行う、いま注目の新スポーツ。 現在は、クラブ活動の指導員として伊那市内の小学校に通ったり、チームの仲間たちとイベント会場に出向いてスラックラインの体験会を開催しています。

一はじめたきっかけはなんですか?

体験イベントで、その楽しさに触れたのがきっかけです。 ラインの上を歩くだけの単純なスポーツなのですが、続けているうちに、 「もっと長く歩けるようになりたい」、 「跳んだり跳ねたりしてみたい」 と欲が出てきて……気づいたらハマっていましたね(笑)。 バランス感覚を必要とするスラックラインは、基礎体力づくりや体幹の強化にもぴったり。 子どもから大人まで楽しめるスポーツなので、スラックラインを通じて町が盛り上がればいいなと考えました。

  • 上級者になると、ラインの上でこんなパフォーマンスもできるように! 上達を実感できるところも、スラックラインの楽しいところ。

  • 伊那市内の小学校で行われているスラックラインクラブの活動の一コマ。「今後はこういった活動をさらに増やしていきたい」と金田さん。

一一番大切にしていることはなんですか?

「教えないこと」。 誰だって夢中になっているときに、横から「それは違う。もっとこうしろ、ああしろ」と余計な口を出されたらうっとうしいでしょう?(笑)  ですから、まずは“好きなように楽しんでもらう”ようにしています。上達のコツを聞かれれば、もちろん教えますよ。 このスタンスはクラブ活動の時も一緒で、基本の乗り方を教える以外は、なるべく口を挟まないようにしています。思い思いにやってもらうなかで、徐々にコツをつかんでもらえればいいなって。

一今後の目標を教えてください

まずは、道具を持っていない人でも気軽に楽しめる、スラックラインの常設施設を伊那市内につくりたいですね。 あとは、スラックラインが自由にできる専用区域が公園などに設置されたり、公園の事務所などで道具のレンタルができるようになれば、もっと多くの人が楽しめるようになるのかな、と。 スラックラインをきっかけにして、みんなで集まって遊んだり、おしゃべりを楽しんだり。町の人たちをつなぐ新たなツールになってくれたらいいなと思っています。

アピールポイント

裸足で遊ぶことができるスラックラインは、子どもから大人まで誰でも気軽に楽しむことができるスポーツです。ラインの上を“ただ歩く”だけなのですが、この“ただ歩くだけ”が、いざやってみると実はとても難しい(笑)。慣れないうちは、ラインの上でジャンプをするどころか、最初の一歩すら踏み出せずに、すぐに落ちてしまうことでしょう。それでも、笑顔でリトライできるところがスラックラインのいいところ。「次こそは!」と繰り返しているうちに、いつの間にかその魅力に引き込まれてしまっているのです。遊び感覚で基礎体力づくりや体幹の強化もできます。木がある場所ならばどこでも楽しめるスポーツなので、休日を過ごすアイテムのひとつとして、町のみんなにもっともっと広まっていくとうれしいですね。

-コーディネーター紹介-

言葉や文字でああこうではなくて、まずは一緒に外(アウトドア)で遊ぼうぜ!という起点とその企画実行力にはいつも驚かされています。年齢性別地域を問わず、いろんな人が金田さんのまわりに集まる「楽しさ」や「安心感」があり、そんな集いにぜひ飛び込んでいって、参加することで人のつながりを実感していってもらえたらなと思っています。

ID9 長野県伊那市

さいとう しゅんすけ

齋藤 俊介

地域の有機農家と商店街の飲食店と市民の三者をつなぎ「母子で朝食の時間を過ごす」場を提供する「朝マルシェ」、南アルプスと中央アルプスという二つの山岳地域へ訪れる登山者に地域ならではの価値提供を行い街や人をつなぐ「ASTTALプロジェクト」を企画しオルタナS・地域デザイナーズアワードをダブル受賞。16年は中心市街地全体を学校に見立て「路地の一つ一つに学びとの出会いがある」をテーマとした「学びのまちプロジェクト」のサポートを手掛け、持続的な取り組みへと伴走している。