日本ではじめて設置された「地域政策学部」で学び、村役場職員になった若手のホープ

群馬県片品村

カサハラケイタ

笠原圭太

1992年 片品村のスキー場内にある民宿の長男として生まれる。大学では地域政策を学び、学生時代からゼミ活動を通して片品で地域づくりの活動に関わる。新卒で役場のむらづくり観光課に就職。現在の担当業務は移住定住推進・六次産業化推進・地域おこし協力隊に関する業務など多岐にわたる。

一どんな活動をしていますか?

片品村役場の「むらづくり観光課」で働いています。 業務は多岐に渡っていて、空き家利活用と移住定住の推進、食の盛り上げに関すること、 六次産業化推進に関すること、地域おこし協力隊に関すること、創業支援に関することなどです。  2年目になってある程度仕事に慣れてきて、少しは周りを見て仕事ができる余裕が出来てきたかなと 思ってはいるのですが、いま担当している仕事は、前例がないことに取り組まないといけないことが多いので、そこは大変ですね。でもやりがいはすごくあります。 昨年は「尾瀬ブランド」のパンフレットの改訂を担当しました。 村外から来た「片品村地域おこし協力隊」の方や、片品出身の若い切り絵作家さんと一緒に、 片品の雰囲気を伝えたデザインのものを制作することができました。 片品の魅力を伝えるとっかかりの一つにしていければと思いますし、更なる魅力発信のため、 かたしなの食・盛上委員会と連携して企画を画策中です。

一はじめたきっかけはなんですか?

 うちの実家は、祖父母の代から「かたしな高原スキー場」の場内で民宿をやっていて、小さい頃から手伝っていました。リピーターのお客さんも多くて、正月になれば毎年その人たちに再会して楽しくしゃべったり、一緒にスキーしたり。お客さんと家族ぐるみの付き合いもあり、お互いの家に遊びに行ったりもしました。そこまでの関係をつくれる仕事ってなかなかないだろうなと思って、そんな形で働く両親を尊敬していました。そんな感じで、家族や、地域の良さを感じていて、地元に残りたいという気持ちはあったんです。 大学で高崎経済大学の地域政策学部に進学し、「観光政策」を学んだことで、片品の観光や片品村の将来について、具体的に考えるようになりました。それでゼミの活動として、片品村をフィールドに「カタコト」という企画を実施しました。 カタコトは「片品でしかできないこと」の略で、目的は「地域の人と学生が、体験しながら交流できる場をつくること」。若者と片品村の住民が協力して地域の活性化を図るために、若者を対象としたイベントを実施して、また片品村に来たいと思わせるきっかけづくりにしたいというのがコンセプトです。 3年生の時に実施した第一回目のカタコトは、県内の大学生が40-50人集まってくれて、収穫体験や豆腐づくり、伝統料理づくりやフラワーアレンジメント、さらには炭の植木鉢づくり体験などを実施しました。ワークショップでは、体験交流した片品の人たちと、片品のことについて意見を互いに出し合いました。翌年は後輩に引き継ぎつつ、村内でもより幅広い人に声をかけさせてもらい、試行錯誤しながら2回目を開催しました。自分の卒業後の2015年も、後輩が第3回目のカタコトを実施して、地域の人へのインタビューや村内での取材を元に「片品魅力発信マップ」を作ったりと、取組みを続けてくれています。 そんな経緯もあり、母親から「片品村の広報に役場職員の求人が出てる」という話を聞いた時、自分は大学で地域のことをやってきたし、カタコトなどの活動を通して多少なり村内での繋がりも生まれたし、役場職員というのもいいんじゃないかなと思って、ダメもとで受けてみたんです。少子高齢化で村の存続が危ういということも、何かやらないといけないということも分かっていたので、微力ながら戦力になれればなと思って。実際入ってみてここまで色々な仕事を任せられるとは思っていなかったですけどね(笑)。

  • 東京の移住相談会で片品村をPR

  • 大学時代に片品村で実施した「カタコト」の様子

一一番大切にしていることはなんですか?

大学時代、高崎のアパートに住んでいて、大雪で街のインフラが機能しなくなったときがあったんですが、住んでいたアパートの人が誰1人雪かきをしないことに驚いて。街では隣同士の繋がりが本当になくて、近くに住んでいても精神的な壁があるんだなと実感しました。 片品は人と人の間が近くて、悪い意味でいうと顔が見えすぎるというのもあるんですけど、地域の付き合いなんかも村の暮らしを維持して行くためには意味があるし、自分は人付き合いだと思って楽しんでやっていきたいです。 いまの部署では、残業していると先輩が気遣って声をかけてくれたり、答えが出るまで相談に乗ってくれたりと、「チーム」という感じがあって、1人で仕事してるんじゃないんだなというのを気づかされます。大学のときから、意見の違う人同士で合意形成をはかったり、そこで生まれたものを実行してというグループワークをやっていたので、今やっている仕事もそれと一緒な気がして楽しいです。お互いに意見を持っていて、話し合うことで折り合いをつけたり、自分だけでは出てこないアイデアが出たり、というのが好きなので、自分と違う意見の人とも、しっかり話し合って、理解できるまでちゃんと話を聞く、ということをしっかりやっていきたいと思っています。

一今後の目標を教えてください

まだまだ社会人2年目ということで、手探り状態ではありますが、村にとって必要な仕事をしっかりやりつつも、自分の最終的にやりたいことやビジョンを見つけていけるように、これからも前向きに取り組んでいければと思います。

アピールポイント

制作を担当した「尾瀬ブランド」や「まっと食っちょん?!」のパンフレット。 片品出身の若い切り絵作家さんや地域おこし協力隊のメンバーと一緒に、片品の雰囲気が伝わるデザインのものを制作することができました。

-コーディネーター紹介-

カサケイこと圭太くんは、とかく保守的で古いと言われがちな村役場に現れた、新しい時代のホープです。2年目で色々前例のない業務を任せられて悪戦苦闘しながらも着実に形にしていっていて、近くで仕事をしていても頼りになる弟のような存在です。これからも一緒にがんばりましょう!

ID117 群馬県片品村

ほんま ゆうみ

本間 優美

1982年東京都生まれ。大手通信会社でのサラリーマン生活を経て、趣味の山登りがしやすい環境を求めて片品村に移住。新米猟師。 尾瀬国立公園で増えすぎた鹿の問題を多くの人に知ってもらうべく、地域で排出された獣革を商品化する「尾瀬鹿プロジェクト」に「尾瀬鹿工房かたしな」として取り組んでいる。