地域の素材を活かし、片品村民のハレの日を演出するパティシエ

群馬県片品村

ワタナベヒデキ

渡辺英樹

1972年片品村出身。片品村唯一の「パン屋」兼「洋菓子屋」である渡辺製菓の2代目で、お店の「洋菓子担当」。地域の特産品である「花豆」や「トマト」を活かした商品づくりなどに取り組んでいる。

一どんな活動をしていますか?

実家の「渡辺製菓」で洋菓子担当をしています。 実家はもともと、尾瀬国立公園の入り口の戸倉で「尾瀬思い出まんじゅう」っていうまんじゅう屋をやっていたんです。尾瀬の人出がピークの時代だったのもあって、売れ行きもよく、当時は家族総出でまんじゅう作りをしました。でも、バブルが終わって尾瀬のお客さんも減って、まんじゅう自体も下火になってきたんです。それでなにか違うものをって、パンを始めたんです。 今は自分が洋菓子を担当して、親がパンを担当して、一緒にお店をやっています。お袋も何十年もパン作りしてるけど 「もうこれで満足、なんていうことは絶対にない。いまだに勉強だ」って言って、いまも一緒に工夫をしながら新商品を作ったりしています。

一はじめたきっかけはなんですか?

パティシエになったきっかけは、ちょうど高校の時読んでた漫画がパティシエの話で・・主人公がすごく女の子にモテるんですよ。それで「ケーキ製造できればモテるかもしれないなぁ、あ~これいい!」って思って。うちもパン屋だしちょうどいいかな、という感じでした。それで洋菓子関係の求人を見つけて。川崎の洋菓子も作ってるパンの工場に就職をして5〜6年間働きました。でも実際はケーキ作っても全然モテなかったです(笑)。 都会で嫌だったことはあんまりないんですが、たまに片品に帰省すると、自然があって、やっぱり良かったんですよね。自分の家があるっていうこともすごく安心するというか、そういうのがあるから帰って来たのかな。 片品に帰って来て、やっぱり自分で色々しなくちゃと、必死で勉強して2年ごしでパティシエの国家資格を取りました。 地域の繋がりから、特産品の花豆を使った「花まめぱん」を作ったり、自分も飽きないように色々試行錯誤してやっています。食べ物を作ってる人はみんなそうかもしれないけど、お客さんから美味しいって言ってもらえることがやっぱり一番ですね。先日も「花まめパン買ったんですけど、すごく美味しくて。送ってもらう事ってできますか?」っていう電話が来たり、わざわざ埼玉から買いに来てくれるお客さんがいたり。そういう時はやっぱりうれしいですよね。 片品は山の中で材料が限られてしまう面もあるけど、これからも地域で採れる旬の美味しいものを季節ごとに使って、ケーキを作ってゆけたらと思っています。

  • 片品特産の「花豆」をふんだんに使った「花まめぱん」

  • 特産のトマトを使った「トマトシフォンケーキ」。期間限定商品。

アピールポイント

片品村で冬期に実施される「はげ盛キャンペーン」。はげしい盛り=片品ことばで「大盛り」のこと。渡辺製菓の花豆ロールケーキは、ずしっと来るサイズながら軽い口当たりの人気商品。

-コーディネーター紹介-

村にいながら都会に負けない美味しいケーキが食べられる渡辺製菓さん。英樹さんは気さくな人柄で癒し系のお兄さんなのですが、シャイなのでインタビューではなかなか真面目なエピソードが聞けず苦戦しましたが、笑いあふれる楽しい時間になりました。ありがとうございます!

ID117 群馬県片品村

ほんま ゆうみ

本間 優美

1982年東京都生まれ。大手通信会社でのサラリーマン生活を経て、趣味の山登りがしやすい環境を求めて片品村に移住。新米猟師。 尾瀬国立公園で増えすぎた鹿の問題を多くの人に知ってもらうべく、地域で排出された獣革を商品化する「尾瀬鹿プロジェクト」に「尾瀬鹿工房かたしな」として取り組んでいる。