戦略の要素が多いフェンシング。そんなスポーツだからこそ裾野を広げたい。

長野県箕輪町

カサイ リョウタ

河西 遼太

1988年生まれ。長野県ジュニアフェンシングクラブコーチと同時に、現役選手。 信州大学フェンシング部を創設し、初代部長を務める。 子どもたちの指導を続けたいとの想いから、地元の町役場に就職。 フェンシングの普及にも努めつつ、自身も国体へ9年連続出場し、選手としてのキャリアを重ねる。

一どんな活動をしていますか?

長野県のフェンシングクラブのコーチをしています。
平日の夜は週に1~2回、地元クラブで子どもたちの指導をしています。
高校生と練習する時は、自分の練習相手になってもらうこともありますね。

土日は大会が多く、子供たちのサポートに回ったり審判をしたり、
自分の大会に出場したり…。
会場は全国各地なので、県内にとどまらずあちこちへ出かけていきます。

一はじめたきっかけはなんですか?

まず、フェンシングを始めたきっかけですが、
小学校3年生の時、町民新聞で地元のクラブの立ち上がり、
生徒を募集していることを知りました。
町でもちょうどフェンシングが盛り上がっていた時期でした。

その頃習っていたスイミングで上の級をとり終えたこと、
剣を振り回してみたいなぁ、という子どもらしい理由から、
フェンシングを始めました。

コーチとして指導にまわるようになったのも、自然な流れですね。
自分たちを教えてくれたコーチや先輩方も、ボランティアで指導してくれていましたので、
恩返しをしたいと思うようになりました。


また大学でフェンシング部を作ったことも大きな出来事ですね。
長野県内の大学に進学したんですが、
当時はフェンシングの練習環境がなかったんです。
同期でフェンシングをやっている友人たちがいたので、彼らと部活を立ち上げました。


そうなると、当然フェンシングをやったことのない学生がいますよね。
彼らを教えることで、指導という面からもフェンシングに携わるようになりました。

  • 文部科学省出向時のフェンシング体験教室の様子。
    子どもたちにフェンシングの楽しさを知ってもらいたい、という。

  • 取材時は、地元でフェンシングの全国大会の真っ最中で、のぼりがあちこちに。指導する子どもたちが多く出場した。

一一番大切にしていることはなんですか?

フェンシングって、とても特異なスポーツなんです。

スポーツは一般的に身体能力による要素が多いですが、
フェンシングは身体能力よりも、戦略による要素が多いんです。


戦略によって自分より実力のある選手に勝つこともできる。
フェンシングの醍醐味ですね。

一今後の目標を教えてください

大きく2つの目標があります。


まずは現役選手として、教えている子供たちの目標になりたいですね。
今年で実は競技生活20年になり、国体も9年連続で出場できました。
まだまだ頑張りたいですね。


もう一つはフェンシングのすそ野をもっと広めたい。
特に長野県全体にフェンシングを広めたいです。

フェンシング部に飯山市の生徒がいて、入部当時小学生でした。
その子、平日は飯山市から長野市に、週末は電車で3時間近くかかる箕輪町まで通っていたんですよ。
そういう受け皿がない状態を解消して、フェンシングを広めていきたいです。

アピールポイント

「指導者として、こうしたフェンシングの面白さや楽しさを
子どもたちにつたえていきたいです。

自分は厳しい指導をして、トップアスリートを育てることよりも、
フェンシングを好きになってもらうことを重要視しています。
たくさんの子どもたちにフェンシングって楽しいと思ってもらいたいです。」

-コーディネーター紹介-

平日夜はフェンシングの指導、土日は大会。 タイトなスケジュール中でも、フェンシングの試合や教えている子どもたちについて、 とても楽しそうに話してくださる姿は印象的です。 実は職場が同じで、普段は正面の席に座っていらっしゃいます。 いつも冷静沈着なのは、フェンシングの鍛錬のたまものかなと思っています。

ID124 長野県箕輪町

せきぐちゆうこ

関口悠子

千葉県出身 1984年生まれ  アウトドアメーカー勤務、ニュージーランドでのワーキングホリデーを経て、 2014年から地域おこし協力隊として箕輪町へ移住。 3年間の任期の前半は、農産物直売所に出入りし、 農家さんをまわったり、漬物などの信州の伝統的な食文化にはまる。 後半は移住定住や町の広報番組作りを担当し、大根ぶりを発揮中。 週末は有志の皆さんと、伊那谷 Open Cafe Project に参加したり、 地元の皆さんに地元を楽しんでもらうイベントの運営に関わったり、 放棄地だった畑をかりて、野菜を作ったり…。 毎日あわただしく過ごしておりますが、 大好きな「伊那谷」の風景とともに、楽しい田舎暮らしを満喫しています!