誰でも安心して訪れる事が出来る場所【オーガニックビレッジ】を作りたい。守っていきたい。

長野県上伊那郡辰野町

イチカワ ナオミ

市川 直美

1966年6月生まれ。東京出身。東京でグラフィックデザイナーの仕事をしていたが、自身のアレルギー・子供のアレルギー等の事から東京を離れる事を決意。駒ケ根市を経て辰野町の川島区へ移住した。農業のイロハを1から学び、平成20年から農家民宿「月のもり」を開業。

一どんな活動をしていますか?

借りている畑で自然農業を行いながら、そこで採れた野菜をメインに提供している1日1組限定の農家民宿「月のもり」を営んでいます。予約制でランチ営業も。(平成29年は農業に専念する為、宿泊業はお休みしています)

スキルや特技は何もありませんが、生業は源上(住んでいる集落名)と自分の農業・農家民宿をトータルでプロデュースするクリエイターでありたいと思っています。

一はじめたきっかけはなんですか?

長男が生後3ヵ月から壮絶なアレルギー、アトピー、化学物質過敏症、ぜんそく、食物アレルギーが始まり、自らのアレルギー等をないがしろにしてきた事を深く反省し、息子が改善する為に始めた様々な事により自らが健康になりました。
アレルギー等が重症すぎて実家にも行かれなかった事から、『誰でも安心して来れるところを作りたい』と思って始めました。

今では、アレルギー等に悩んでいる人以外に、普通に東京で一生懸命頑張ってお仕事をしている人が心の洗濯をしに来るようになってきました。人目を気にしないで過ごせる、という環境が求められているんだと思います。

  • 借りている田んぼでの田植え風景。
    田植えや稲刈り・畑の野菜の植え付けや収穫・味噌作りなどの四季折々の農作業には、「月のもり」を愛する常連さん達がお手伝いに駆け付けてくれる。
    この常連さん達、ただの「月のもりのお客様」ではない。地元の行事(草刈など)にも参加してくれるそう。この地域の為に何でもしたいと言ってくれてるそうだ。

  • 秋の終わりには大きなデッキの上で干し柿作り。渋~い柿に太陽の恵みをギュッと詰めたら、甘~い干し柿が出来上がる。昔は冬の間の貴重な食料・おやつとなっていた。

一一番大切にしていることはなんですか?

暑かったら、その暑さに。寒かったら、その寒さに。雨にも。お天道様にも。目の前に山があること。山の湧水を使っていること。
全てに感謝しているし、全てにムダがない毎日を過ごしています。このかけがえのない毎日を過ごせる、ここでの生活が何より大切です。

一今後の目標を教えてください

源上(みなかみ・集落名)をオーガニックビレッジにすることです!!
アレルギー等を持っている方、普通に都会で頑張っている方、、、『誰でも安心して来られる場所を作りたい!』。そして、その様な場所を維持していかなければいけないと思っています。

その為のきっかけ作りとして、今年は宿泊業をお休みにして農業に専念し、川島小学校での映画上映会を計画しています。この映画上映会をスタートとして、地域の方や農業に携わる方たちと様々な事が起こせると良いな、と思っています。

アピールポイント

「一物全体」(一つのものを丸ごと食べる)の考えの基、料理を提供しています。例えば、お豆腐料理を出したら、おからを使った料理も一緒に出す。という事です。

ランチは洋食か和食を選べ、この時は和食を選択。手作りこんにゃくや野菜のてんぷら。。冬越ししたかぼちゃは水煮だけで十分な甘さを持っている事を知りました。
市川さんのお料理は野菜自身が持っている力を丁寧に引き出していて、私たちに伝えてくれます。野菜本来の味、食卓を囲む人たちとの時間など。。忘れがちな「何か」を。

-コーディネーター紹介-

市川さんはとってもパワフル!!熱い想いを頂きました。 この場所に住み始めた当初は理解を得られないことも多く、大変苦労されたそうです。10数年経ち、都会から車がひっきりなしに来るのを見て、地元の方たちの意識も変わってきたと言います。 車が来ないと寂しい、と言ってくれる様になったそうです。また、常連のお客さんも地域の行事に参加し、地域の方もそれを心待ちにしている、との話を聞き、今ではとても素晴らしい関係を築き上げられている事を知りました。 この地域で踏ん張って生活されてきた市川さんのこれまでが、今の関係性に現れている様に思います。移住定住を担当している私としては、羨ましいばかりのお話を沢山聞くことができました。この様な活動をされている市川さんを応援したいと強く思った取材時間でした。

ID73 上伊那郡辰野町

ためいけのどか

溜池のどか

1982.8.26生まれ。鹿児島県出身。趣味の山登りが高じて長野県移住を決断。山に行けないと好山病を発症する。2016.4月より辰野町の地域おこし協力隊として活動を開始。職歴(住宅リフォーム営業・プランナー等経験)を生かし移住定住推進関連の担当になり、空き家の掘り起しや移住検討者の対応、空き家に関するイベント(空き家をあける屋隊×〇〇〇〇、空き家トレジャーハントツアー+5R等)を企画している。