ビジネスを手段として、自然と共にする時間を、より多くの人に届ける。

群馬県片品村

サワ ショウドウ

澤 生道

大都開発株式会社常務取締役。1982年片品村生まれ東京育ち。カナダの大学で観光学を学んだ後、国内リゾート運営会社にてマーケティングや社長アシスタント、ホテルフロント責任者等の勤務を経て、実家が経営するかたしな高原スキー場へ。エリア内で協力しながら同スキー場をマウンテンリゾートに進化させ、より魅力的な場所になるよう日々取り組んでいる。

一どんな活動をしていますか?

かたしな高原というスキー場と宿泊施設2つを運営しています。かたしな高原スキー場は30年以上前からファミリースキーヤーに優しいサービスを考え続け、同業者からは元祖ファミリースキー場とも呼ばれています。 現在は冬だけのスキー場から、春夏秋冬楽しめるマウンテンリゾートに向かって「自然と共にする時間」をテーマに舵を切っている最中です。例えばウィンターシーズン、鳥のさえずりや森の静けさを体感してもらうためにゲレンデでは音楽をかけていませんし、グリーンシーズンでは、自社農園での収穫体験や、フライフィッシング入門キャンプ、片品村伝承の味噌作りなど、自然体験、自然をフィールドにした遊び、そして自然と寄り添う人の営み。この3つに焦点を当て、首都圏の方に紹介しています。

一はじめたきっかけはなんですか?

祖父がこのスキー場を立ち上げたので、幼少期から事業承継はある程度意識していたと思います。ただ、家業を継げという外圧は全くなく、自ら望んでこの仕事に就きました。自分の小さい頃から引っかかっていた思いを叶えるために、スキー場運営は理にかなっていると思ったからです。 自分は生まれは片品村なのですが、すぐに東京で暮らすようになりました。それでも父の仕事の関係で、昨日まで山で遊んでいたのに、今日からしばらく満員電車で通学といった生活を送っていました。都会も田舎も良し悪しなので、わりとストレスなく両方楽しんでいたのですが、こういった生活だとコントラストがくっきりと出るので、通学中電車に乗っている大人達の顔を見て違和感を感じていました。何かこう、違うなと。 その後、カナダで観光学を学びに留学していた時、自然をフィールドにした遊びへのアクセスの良さというか、障壁の低さに驚きました。クライミングにしろ、カヤックにしろ、フィッシングにしろ、アイスクライミングでさえも、言うならば日常の延長にある感覚というか、素人の自分でもすぐに試せてしまう環境があって。物理的な距離感ももちろんあるけれど、それよりも、情報の流れ、費用、サポート体制等が高い次元で設計されているからだなと。単純な距離感で言うと、東京は海にも山にも2時間あれば行けますから。でも都市部の人と自然との心の距離はそこまで近いとはいい難い。 そういった経験の中で、情報の流れ、費用、サポート体制等全てひっくるめて高い次元でお膳立てをすることで、満員電車に乗っているお父さんお母さんに自然と共にする時間をお届けできればと考えました。加えてスキーはその点において最も成功した自然体験の一つだと思っています。色々反省はありますが、あれだけ多くの人を雪山に連れてきたんですから。そしてそれは今も根強い。スキー場というのは、そういった業界にあるノウハウを活かせるし、山を丸ごと商品として扱えるし、グリーンシーズンは伸びしろしかない。そういった経緯で今の仕事に就いています。

  • 自慢の高原野菜をその場で収穫・調理できるミッフィー農園

  • 正月の餅つきなど、冬も楽しいイベント盛りだくさん

一一番大切にしていることはなんですか?

なかなか一番は決められないですが、心構えとしては主人公になるということでしょうか。自分の人生の主人公は自分だよ。というか、主体的に生きていくというか。20代の時、和尚様から頂いた言葉でずっと心の中にある言葉です。

一今後の目標を教えてください

都市部の人が毎週自然の中で何かしら遊ぶのが普通な社会になってもいいんじゃないかと思っています。普通すぎてSNSにアップしてもしょうがないと思うぐらい。もちろんインドアの趣味を持つ人を無理に引っ張り出そうとは思っていませんが、少なくても休みの日に何したら良いか分からなくて漠然と過ごしている人達に対し、不足がちな自然を提案できたらなと。 そのためには物理的・精神的アクセスを短くするお膳立てはもちろん、自然体験を慈善ではなくビジネスとして成功させる重要性を感じています。顧客満足度、経常利益、季節ごとの売上比などを指標にして、山という素材をフルに使って、マウンテンリゾートの運営の達人になりたいなと。その結果、ビジネスを手段として、自然と共にする時間を、より多くの人に届けられたらと思っています。

アピールポイント

【かたしな高原スキー場】
ミッフィーをイメージキャラクターに、ファミリーで楽しく雪に親しめるゲレンデとして、ファミリースキーヤー御用達のスキー場。関東唯一のスキーヤー専用ゲレンデとなっており、スクール、イベントなどもファミリー向けのコンセプトで様々な工夫が凝らされています。グリーンシーズンのかたしな高原は山を舞台にした自然体験プログラムがいっぱい!30種類以上の野菜を育てているミッフィー農園の収穫体験や、ミッフィー農園の野菜を採ってピザを作って食べる山キッチン。毛ばりを作ってエリア内の釣り堀で実際に釣ってみるフィッシング教室など、楽しいプログラムが盛りだくさん。

営業時間
営業:【ウィンター】12月下旬~4月上旬、【グリーン】4月下旬~10月中旬
営業時間:【ウィンター】8:00~17:00、【グリーン】8:30~17:30
※詳細はお問い合わせください。

所在地 〒378-0413  群馬県利根郡片品村越本2990
電話番号 0278-58-2161
交通アクセス (1)関越道沼田ICから車で40分  (2)JR沼田駅からバスで60分

-コーディネーター紹介-

澤さんは片品村内で数少ない82年生まれの同い年。美人でかしこい澤さんのパートナーも同じ82年生まれ。私にとって澤夫婦は同級生かつ都会の目線も持っているという安心感もありながら、同時に「こんなに真面目で優秀な同い年会ったことない!」と感じるスーパーな2人。迷った時に的確にアドバイスをくれたり、叱咤激励してくれる得難い存在です。さらなるご活躍を期待しつつ、これからもよろしくお願いします!!

ID117 群馬県片品村

ほんま ゆうみ

本間 優美

1982年東京都生まれ。大手通信会社でのサラリーマン生活を経て、趣味の山登りがしやすい環境を求めて片品村に移住。新米猟師。 尾瀬国立公園で増えすぎた鹿の問題を多くの人に知ってもらうべく、地域で排出された獣革を商品化する「尾瀬鹿プロジェクト」に「尾瀬鹿工房かたしな」として取り組んでいる。