全国の本好きが集まる私設図書館「本の森」

福島県会津坂下町

まつもと みきお

松本 幹生

1950年生まれ。福島県会津坂下町(あいづばんげまち)出身。若い頃から古本屋と博物館を巡るのが大好きな本&歴史マニア。震災復興支援で全国から寄せられた30万冊のうち4万冊の本を廃園となった幼稚園を活用して私設図書館として開設された「本の森」。そこの第一号の来館者。ボランティアスタッフを経て館長に就任。 

一どんな活動をしていますか?

「本の森」の館長をしています。ここでは、親子で楽しめる読み聞かせや季節のイベントのほか、近隣の古墳や史跡を巡ったりしています。「本の森」が位置する場所が歴史的・文化的に価値のあるものが多く、歴史好きが多いからできることです。地域資源を活かしながら、より多くの人に本を手に取ってもらえるような取り組みがボランティアスタッフの案で次々と生まれています!カフェもオープンしました。より身近に本を感じたり触れ合ってもらえるように、家庭や商店などに「街かど図書館」(「本の森」から本を借りて同様の貸し出し方法を行う場所)を設けてもらえるように勧めたり、「移動図書館」をするといった取り組みを行っています。 ※「本の森」・・・アピールポイント参照

一はじめたきっかけはなんですか?

新聞に掲載されていたプレオープンの記事を見て訪れたことが「本の森」との出会いです。長年探していた本がたくさん並んでいる館内を見たときはとても驚きました!ボランティアスタッフの募集をしていたので、すぐにスタッフになりました。何度も通っているうちに代表の遠藤さんに「松本さん、館長ね!」と言われました。何度もお断りをしましたが、その時、宮沢賢治『どんぐりと山猫』を思い出しました。 ~ いちばんばかで、めちゃくちゃで、まるでなっていないようなのが、いちばんえらい ~ 自分は館長なんて器ではないけれど、掃除や開館時の案内くらいならやれると思って館長になりました。

  • 「本の森」の活動を知った方から100冊の絵本寄付。館内にある本棚は大工さんでもなんでもないボランティアさんによる手作り。

  • 「本の森」は、カフェも併設。写真は朝カフェの会の時の様子。ワークショップや講座、読み聞かせなどのイベントがたくさん行われている。

一一番大切にしていることはなんですか?

来館者に「すごいですね」「立派な取り組みですね」と言われることがあります。そういった言葉ももちろん嬉しいのですが、やはり、本に触れ合う事で生まれる笑顔や繋がりが何よりも嬉しいです。たくさん足を運んでくれること、繋がりが広がっていくことにやりがいを感じます!!「本の森」は、基本的に厳しいルールなどはないのですが、「ここにいる時だけはゲームはやらないで」といっています。ここでは、たくさんの本に触れ合うこと、本を楽しんでもらうことにこだわっています!

一今後の目標を教えてください

「本の森」を拠点として、多くの本を県内のあちこちに行き渡らせることがこの施設の最終的な目的です。そのため、「街かど図書館」「移動図書館」の取り組みを広げていきたいです!!寄付して頂いた絵本を活用して移動図書をするのが今1番やりたいことです!読み聞かせをしたり、手遊びをしたりして、子どもたちが気軽に絵本に触れ合える機会を作ることで本の楽しさが伝わればいいなと思います。

アピールポイント

「本の森」とは・・・
2011年東日本大震災後、赤坂憲雄さん(岩手県遠野文化研究センター長・福島県立博物館長)が三陸文化復興プロジェクトを立ち上げて、全国に本の提供を呼びかけた。30万冊の本が集まったため教育機関などに配布を続けていたが、本を保管しておく工場の返却期間が迫り、4万冊の本が行き場を失いかける。それを知った遠藤由美子さん(本の森代表)が本を引き取り、福島県会津坂下町にある廃園となった旧八幡幼稚園を利用して2015年9月に「本の森」を開館させた。開館にあたり、町内外からボランティアスタッフが集まり、掃除・本棚作り・本の整理分類など力を合わせて準備を行ってきた。開館後は、ウッドデッキを作り外でも本を楽しめるスペースを作ったり、イベントや講座を行ったり、カフェを併設したり、他地域に移動図書館として出向くなど民間の力が集結して進化を続けている。
「本の森」の本は、貸し出し期限や冊数に制限がない。さらに、「寝転がって読んでもいい」「お菓子を食べながら読んでもいい」「いいなと思った本は他の人に又貸ししてもいい」。図書館といわれるところでは通常禁止されていることも、それぞれのペースで気軽に本に触れ合ってほしいという思いから許されている。
開館時間:月~金曜日  13時~16時                  
     土・日・祝日 10時~14 時                  
     冬季日曜日  10時~16時                   
休 館 日:月曜日(祝日の場合は翌日)
     ※12月~1月は長期休館期間がございます。         
      ※冬季は日曜日のみ開館(本の森カフェはお休み)        
住  所 :福島県河沼郡会津坂下町塔寺字松原2922-1  
電話番号:0242-85-768                         
H P :http://hon-mori.d.dooo.jp/
Facabook:「ふくしま本の森プロジェクト」を検索!

-コーディネーター紹介-

松本さんは、本と歴史とシャレが好きな笑顔が似合う素敵なおじ様です!( 本人曰く、内気で引きこもりな性格とのことですが、全くそんな風には感じません(笑) )そんな人柄に惹かれる方も多いと思いますよ♪  「本の森」は、寄付による多種多様な本があり、本好きな優しくあたたかいスタッフの方々がいる素敵な空間です!寄付されたという「100冊の絵本」のコーナーは圧巻ですよ◎たくさんの本とあたたかいスタッフに会いに「本の森」を訪れみてはいかがでしょうか?

ID164 福島県会津坂下町

あきやま なつき

秋山 奈月

1990年生まれ。福島県会津若松市出身。 東京の大学に進学後、Uターン。在学中、インターンシップで訪れた島根県隠岐の島海士町での体験や人との出会いから地域づくりに興味をもつ。それがきっかけで2016年4月より福島県会津坂下町の地域おこし協力隊となる。移住定住・地域づくりをミッションとして活動している。