一どんな活動をしていますか?
週末のお昼に営業している食堂「網干場」で、調理や仕入れを担当しています。月に数回ですが、お弁当やお惣菜も作っています。私もふくめて、厨房をまかされた町の女性たちは、もともとプロの料理人ではありません。でも、来てくれる方に喜んでいただきたくて、特に魚は新鮮な食材を選んだり、手作りにこだわったりしています。味の好みはさまざまですが、「おいしかった!!」の言葉に励まされ、人の優しさを感じる日々です。
一はじめたきっかけはなんですか?
幼稚園教諭の仕事を退職する頃、九鬼町で町おこしのためのプロジェクトが立ち上がりました。そのプロジェクトの中で、町の人が参加する「今の九鬼には何がいちばん必要か」という話し合いの場がありました。そこまでの10年間、九鬼町では飲食店が1軒もない状態になっていたので、人が集まる場所がほしいという意見が出ました。「それはええなぁ、そういう場所がほしいなぁ」と私も思ったんです。その後、飲食店を復活させるための地域おこし協力隊が九鬼町に来ることになり、私も網干場の立ち上げ当初から関わることになりました。
一一番大切にしていることはなんですか?
なんとなく、やることです。しゃかりきではない。それは、適当にやるのとはちょっと違うんです。「なんとなく」をやれているときは、ある程度余裕もあって、自由さもあって、自分のやっていることが見えているときです。たとえば、人と接するときや新しいメニューを思いついたりするとき、ほどよく力がぬけているなと感じることがあります。それが「なんとなく」ということでしょうか。
一今後の目標を教えてください
相手の顔が見える仕事をしていきたいと思っています。そして、九鬼の魅力を感じてもらえるように、きめの細かい接し方ができるようにしたいですね。網干場では、食堂だけでなく、ライブなどのイベントをしたりしています。網干場で、いろいろな人に出会えたことがよかったです。網干場が始まってからの2年間はあっという間に過ぎたけれど、おもしろきってたなぁ。おもしろいと感じるときというのは、必ず向こう側に「人」がいる。料理を作るときにも、その向こうには食べてくれる人がいる。やっぱり、「人」だと思っています。