水泳は自主性を育て、本気でやり抜く経験を積めます ―育泳会(一般社団法人CyaOKkA)―

岩瀬

さかいえつこ さかいきょうこ

酒井悦子 酒井京子

悦子 育泳会創設者・水泳指導者 京子 育泳会代表理事・水泳指導者

一プロローグ

某月某日。知り合いのママから「すごく熱心で素敵な水泳指導者がいるの。サンパルでお母さんと娘さんで教えているのよ。紹介するから会ってみない?」と声をかけられました。
桜川市の魅力を伝えている者として、熱心で素敵な水泳指導者と聞いてお会いしないという選択はありません。
2月22日に育泳会さん(一般社団法人CyaOKkA)の事務所を訪ね、育泳会創設者の悦子さん、育泳会代表理事の京子さんにお話を伺いました。

一育泳会さんの歴史や活動内容を教えてください

悦子さん「20年以上前のことですが、桜川市の水泳教室で指導を頼まれました。そのときに保護者から『もっと子どもたちに水泳を教えてください!』と懇願され、最初は9人の子どもで育泳会をスタートさせました。2008(平成20)年5月のことです。その後少しずつ規模が大きくなり通ってくる子どもが増えていきまして、成人や障がい者も参加されるようになりました。新型コロナ以前は約200人の会員さんがいらっしゃいましたが、現在、コロナ禍にあっても約150人の会員さんが育泳会を支えてくださっています。市外の方もおられて、コロナ以前は千葉県からも通ってこられました。今も結城市や筑西市などからお越しいただいています。
また、全国障害者スポーツ大会という、毎年、国民体育大会を開催した都道府県で開催される大会がありますが、私は県のコーチとして全国に引率で出かけてきました。ノーマライゼーションという言葉があります。障害のある人が障害のない人と同等に生活し、ともにいきいきと活動できる社会を目指すという理念です。この理念を大切にして今まで活動してきました。コロナ禍でやりにくくなってきたのが残念です」

京子さん「小さな頃から泳ぎ続けた子が成長して、いったん『卒業』しても、あいさつに来たり泳いでいったりします。東京の大学に進学しても、たまに近況を語り合ったりしているんですよ。人と人とが繋がるってとてもうれしいことですね。交流はずっと続いていくんです。
育泳会では、日本水泳連盟主催の泳力検定など、目標に向かってチャレンジすることをお勧めしています。今はコロナでできませんが、事務所で子どもたちと夏合宿を行い、励まし合いながら記録更新をめざしてきました。水泳は子どもにとってはキツい面があります。体力を鍛えてひたすら泳ぎ続けるからです。でも、自分で目標を持って達成したときのよろこびは格別なものがあります。やりきったという自信が持てて、苦しくても新しい目標を持って泳ぎたくなるんです。水泳は、自主性が育ち本気でやり抜く経験を積めるのが魅力です。大人でも、何かを本気でやり抜いた経験というのは意外に少ないのではないでしょうか」

  • 桜川市体育協会が悦子さんに渡した表彰状。「あなたは永年にわたり桜川市体育協会の振興発展に尽力された功績はまことに大きいのでこれを表彰します」とあります。

  • 日本水泳連盟から、「多大なる貢献をされた優秀団体」として育泳会に贈られた表彰状。
    日本体育協会も悦子さんに対して、公認スポーツ指導者として貢献されたことを表彰。

一水泳の魅力、わかってきました!他に水泳の魅力はありますか

悦子さん「健康や体力増進ですね。最近の子どもは、体力や運動神経が落ちている気がします。ジャングルジムに登れない子や体操をうまくできない子がいます。ですので、水泳の出番です。たとえば幼児は怖さを知らず覚えが早いので体力や運動神経が水泳で伸びます。
子どもだけではありません。成人の方も健康維持にピッタリです。体重は変わらなくてもカラダが締まってきますよ。膝を痛めた方がプールで歩いているうちに改善されたとか、ゴーグルで水の中を見たら神秘的な光景だったので泳ぎに夢中になり体力が増進したとか、そういうことはめずらしくありません」

一他に大切にしていることはありますか

京子さん「あいさつを大切にしています。大人になってから困らないように。不思議に思われるかもしれませんが、一緒に山に登るんですよ。山では必ずあいさつを返してくださるので。まちなかであいさつすると必ずしもあいさつしてくれないので子どもたちはがっかりしますが、山では違いますからモチベーションが上がるんです。
また、育泳会の活動についてはホームページで情報発信を行っていますので、ぜひご覧ください」
◇育泳会ホームページ http://www.cyaokka.or.jp/

桜川市社会福祉協議会から贈られた感謝状。障がい者スポーツを推進し地域福祉の向上に寄与されたことへの感謝状です。創設者の悦子さんからは何度も「ノーマライゼーション」という言葉をお聞きしました。障害のある人が障害のない人と同等に生活し、ともにいきいきと活動できる社会を目指すという理念、今回の取材を通じて私もこの理念を大切にしていきたいと思いました。

-コーディネーター紹介-

水泳にかける熱い想いを感じながらお話を伺いました。お二人とも目がキラキラ輝いていたのが印象的です。そして、プールに入る前に外で走り込みをしていた子どもたちもやはり目が輝いてました。とても元気になれたインタビューでした!

ID 桜川市

たなかみずほ

田中瑞穂@アニメ好き

2020年2月1日から茨城県桜川市で地域おこし協力隊として活動しています。アニメや漫画が好き。愛車はCOPEN。イベントには三毛猫の着ぐるみで参加することも!仲良くしてやってください(・∀・)
http://sakuragawa.blog.jp/