桜川市に必要な地域福祉に取り組む。

真壁

よしわら だいじゅ

吉原大樹

桜川市真壁町出身 現在、筑紫会の常務理事、真壁授産学園の施設長を務める。

一どんな活動をしていますか?

真壁授産学園の施設長として、障がい者支援施設の運営をしています。

真壁授産学園では、一般就労が困難な方々に、就労や自立に必要な支援を行い、充実した生活をおくれるよう支援しています。
そして共に働き、共に学ぶことを通して、ご利用者さまが喜びと生きがいを感じ、かけがえのない人生をイキイキと暮らしていけるように考動しています。

ご利用者さまの方々と共に、田んぼでお米を作ったり、マカパンでパンを焼いて販売するなど、福祉でありながらも幅の広い、地域に貢献できる活動を実践しています。

一最近、働く障がい者を支援する施設の在り方が、変化してきているのでしょうか?

就労が可能なご利用者さまの場合であれば、これを支援する方法は新しい形にアップデートしなければならないと考えています。
従来福祉施設での作業といえば、内職の様な仕事がほとんどでした。そのような仕事をして貰える工賃は、時給にすると茨城県の平均で125円程度です。125円ですよ!信じられますか?障がいを持っていても活躍できる仕組みは必ず作れると考えています。

私たち福祉支援者は障がいを持っている方も『普通』に暮らせるように支援していく必要があるのだと思います。
時給125円では普通に暮らせませんよね。働いて収入を得ることで社会的自立の足掛かりとすること。働くことを通して喜びややりがいを得ること。働くことを通して地域に貢献すること等を指針として大切にしています。

  • 市内にある「溶岩窯工房マカパン」は施設のご利用者さまの社会的自立を目指して、朝10時からパンの製造・販売を行っております。

  • 2000人が集まる日本最大級の就労支援フォーラムNIPPON2019の講演会で、福祉の「アップデート」というテーマで、国内の福祉業界代表の5名に選ばれ登壇をしました。

一具体的に何か取り組まれている活動はございますか?

実はですね。​今、障がい者の方々と​『お福分けプロジェクト』というものを​企画し、準備を進めています。​これは簡単に言うと「真壁と言ったら必ずこれを買って帰る」というギフト商品を作ろうというプロジェクトです。 お福分けの意味は、真壁自慢の文化『おすそわけ』から来ています。それをちょっと丁寧な表現にしたのが、この『おふくわけ』です。真壁の素晴らしい文化もギフトに詰め込みたくてこんなプロジェクト名になりました。

前月号で、声優の櫻川めぐさんが、「桜川市ならではのお土産があったらいいのに」とおっしゃっていたのを見て、びっくりしました。「​まさに今作ってます!待ってて下さいね​」って。(笑)
ちなみに、溶岩窯パン工房マカパンもそうですが、販売して得た​利益は全て​障がい者の方へ工賃としてお支払いしているんです!

一これからの社会福祉法人の在り方について、お考えをお聞かせ願えないでしょうか?

社会福祉法人の在り方としては自らの活動領域を広げていく必要があると考えています。例えば現状の福祉制度では、子ども食堂や大人の引きこもり等を支援する福祉制度はほとんどありません。つまり困っている人が困ったままでいなければならない現状があるのです。私たちは支援が必要だけれど支援者が不足している分野の担い手となって、公益事業を積極的に行っていきたいと考えています。

私たち社会福祉法人にはそれぞれの専門領域がありますが、これからは、従来の活動領域に止まらず、社会・地域の為になる活動をするという視点が不可欠です。   

-コーディネーター紹介-

吉原施設長を取材し、僕の中のこれまでの”福祉”の概念が大きく変わりました。

D: 桜川市

はぎわら りく

萩原陸

2019年3月に武蔵野美術大学を卒業。
4月から桜川市の地域おこし協力隊として移住。