肥料や農薬に頼らず、植物本来の生き方に向き合う”自然栽培”を実践

茨城県桜川市 岩瀬

まつながあきら さちよ

松永明 松永幸代

松永明 退職前は、つくば市でコンピューター関係の会社を経営。 松永幸代 かすみがうら市出身。

一どんな活動をしていますか?

耕作放棄されていた土地を一から耕し、試行錯誤を繰り返しながら多品種の果樹と野菜を生産しています。

肥料や農薬に頼らず、植物と土の本来の持つ力を引き出す”自然栽培”を実践することで、「環境にやさしい」「人の身体に健康」「食べて美味しい」を並立させた作物を作っています。

農薬も肥料も使わない美味しい野菜があることを、一人でも多くの方に知って頂きたいと考え、まだまだ生産量は少ないですが、直売などに出荷しています。

一はじめたきっかけはなんですか?

もともとは 2 人で週末などに妻の実家で農業の手伝いをしていました。
そんな中で、妻が乳がんの為、手術を受けました。術後はなるべく農薬を使わないで農業を手伝いたいと考えるようになりました。
農薬を使わない栽培法をいろいろ追求してゆくと、肥料すら使わない”自然栽培”にたどりつきました。

それからは、自分たちの畑で自然栽培を実践したいと願っていました。
会社の退職を機に、私たち家族は思い切って農業ができる環境へ踏み出そうと決心しました。
何か所も、農業ができる場所を探しましたが、最後にたどり着いたのが桜川市でした。
そして 2016 年の 11 月に取手市から桜川市に移住してきました。
自宅からは筑波山、加波山、天気の良い日には富士山まで眺めることができます。

  • チンゲン菜の種。自家採取は自然栽培の基本。

  • ここは元々ジャングルのように草や木が生い茂り、耕作放棄をされていた場所。
    畑一面に咲いているのはクリムソンクローバー。緑肥として利用している。

一一番大切にしていることはなんですか?

土中の微生物のバランスを崩さないことや、虫、雑草などを生かすことで、自然を破壊しない自然と共生する農業を続けたいです。
そのために、自家採種にはこだわっています。なぜなら、種自身は、畑の環境情報を記憶し、次の生育に役立てようとしているからです。
雑草も不要なものではなく、自然なものとして大切にしたいです。雑草も草マルチや自然堆肥として有効利用しています。
そのうえで、栽培している作物には愛情を込めで育てていきたいです。

一今後の目標を教えてください

人が病気になるのは普段の食事が大きな要因になっています。
自然栽培の野菜を食べて、健康的な生活を送り自然栽培のチカラを自ら証明したいと考えています。
自然栽培は土づくりにとても時間がかかります。挫折することなく質の向上を目指したいです。
自然栽培の野菜が当たり前に売られるようになり、多くの人々の食卓に届くようになってほしいです。
そのために自然栽培が広く認知されて、若い農業者が増えてくれることを望んでいます。
柿や梅などの果樹も育てているので、干し柿や梅干しなどの加工品を作る事も近い将来の目標です。

アピールポイント

堆肥を使わない野菜はじっくり育ちます。そのため美味しくて、健康にも良いです。
自然栽培の野菜は慣行農法や有機農法の野菜に比べると抗酸化力がとても強いのです。
実際の成分調査によると、ビタミン・ミネラルなどの栄養素も、より多く含まれることがわかっています。

-コーディネーター紹介-

自然栽培について興味津々な僕を、松永さんご夫婦は優しく受け入れてくださいました。

大規模で効率化を重視する一般的な農業に対して、時間と手間ひまを惜しまず創意工夫を繰り返して理想を追い求める姿がとてもかっこ良かったです。

自分の哲学を持って新しいことに淡々と挑戦する姿はとても勉強になりました。


ID 茨城県桜川市

はぎわら りく

萩原陸

2019年3月に武蔵野美術大学を卒業。
4月から桜川市の地域おこし協力隊として移住。