「ヨルノマシコモ、マタタノシ」昼だけじゃない益子の魅力を引き出す、”益子夜市”

栃木県芳賀郡益子町

オオツカ カズミ

大塚 和美

益子町出身。益子焼をはじめとした陶器等のギャラリーショップである株式会社もえぎの代表取締役を務める傍ら、益子夜市の運営や、ポターリングましこの立ち上げなど地域全体を盛り上げる活動を行っている。

一どんな活動をしていますか?

「益子夜市」という、夜の益子を楽しんでもらう一夜限りのイベントを8月の土曜日の夜に開催しています。2013年に第1回が開催され、今年で4回目となりました。益子夜市は、夏の夜に益子焼の販売店が立ち並ぶ城内坂通りに、おいしい食べ物、飲み物、灯り展示、縁日ブースなど約50テントが、ずらりと集まるお祭りです。その他に、4つの音楽ステージでの演奏、スペシャルラジオ放送、浴衣着付けコーナーなどが開催されます。 運営は35名ほどで運営委員会を組織し、売店、イベント、渉外、会場、広報、事務局の各チームで行っています。メンバーは城内坂地区に住む若い人を中心に、他の地区の様々な職業の方にも協力して頂いています。ボランティアで参加している役場チームにも大変お世話になっています。

一はじめたきっかけはなんですか?

陶器を扱う仕事をしていますから、器に盛り付ける料理や素材となる野菜とは切り離せないと考えていて、飲食店や農家さんと何かしたいとは以前から考えていました。 益子町は、人口規模の割に飲食店数が多いといわれている一方で、夜営業しているお店は少ないイメージを持っている人も多く、夜はひっそりしています。春の陶器市が終わって日が長くなった頃の夕暮れ時は、城内坂に気持ち良い風が吹き、夕焼けがきれいで大好きでした。この時期に城内坂に人が集まったら、面白いんじゃないかと数人で話し合って、城内坂通り会に提案したのが、益子夜市のきっかけでした。実際には夏のお盆前の時期とはなりましたが。

  • 様々な職業のメンバーで構成されている運営委員会の様子。

  • 夜市当日の城内坂は、浴衣姿の人など多くの来場者で賑わっている。夏の夜の開放的な雰囲気もあり、生演奏を聴きながらドリンク片手に良い気分で歩くことができる。

一一番大切にしていることはなんですか?

様々な業種の方で構成されている委員会なので、構成するイベントの幅も広くそれぞれに目的や解決したい課題があります。例えば、夜営業している飲食店のことを知ってもらうことはもちろん、観光客の方だけでなく地元の方が訪れやすくなるような流れを作ること、日帰りだけでなく宿泊のお客様も増やしたいということ、結果的に「益子の夜は楽しい」と感じてもらうことです。 益子アンサンブルは益子出身のクラシックの演奏家の集まりですが、音楽を本業として暮らしている人を間近で見て子どもたちに夢をもって欲しいという思いもあります。

一今後の目標を教えてください

益子町には陶芸家が現在440~450人いらっしゃり、その他の手仕事をする方も増えています。日本の他の焼き物産地と比較しても、クリエイターの人数は最大級ではないでしょうか。都会に比べると音や煙なども問題になりにくく、ものづくりはしやすい環境にあります。もっと、ものづくりの町として知られてもよいと考えています。 益子の夜は楽しいと感じる人が増えると、飲食店や宿泊業も充実してくるのではないでしょうか。私たちは、課題解決の一つの手段としてイベントを開催していますが、イベントがイベントで終わらない仕組みを作っていくことが命題でもあります。

アピールポイント

益子夜市は来場するのはもちろん、スタッフとしてみんなで作り上げていくのも楽しいお祭りです。運営には、苦労もありますが、他業種の方と関わるきっかけにもなります。そのきっかけが後々かけがえのないものにもなっていったりします。

-コーディネーター紹介-

益子夜市は、たくさんの地域の方々の協力によって企画・運営されています。年々来場者も増え、楽しみにしている方も多いイベントです。日常を楽しもうとする精神にあふれる方々と一緒にスタッフとして参加することも出来ます。

ID88 栃木県芳賀郡益子町

いわさきまきこ

岩崎真紀子

1986年生まれの益子町出身。学生時代は神奈川県ですごし、Uターンして益子町役場へ。小さな地域でもつながりにくいヒトやモノ、コトをつなぐことに必要性を感じ、2009年に町内の陶芸をはじめとするクリエイター、農家、勤め人ら有志でつくる地域コミュニティヒジノワの立ち上げに参加。以後、運営に関わっている。