自転車に乗るから出会える、新しい風景と自分

栃木県芳賀郡益子町

オオツカ タカシ

大塚 隆

(隆:写真左)1952年生まれの益子町出身。1948年創業の自転車販売店「エビコ-サイクル」オーナー。自転車チーム「チューリングましこ」主宰。ポターリングましこの運営委員長も務める。 (荘一:写真右)1986年生まれの益子町出身。隆さんの長男で「エビコ-サイクル」店長。

一どんな活動をしていますか?

中学生用から競技用までの幅広い種類の自転車の販売や修理を行う自転車屋「エビコ-サイクル」を息子と二人で営んでいます。 一人ひとりのお客様のライフスタイルに合った自転車の選び方や乗り方、保管の仕方などを丁寧に提案するように心がけています。都会では、お客さまも多くゆっくり話しながらの応対はむずかしいと思いますが、益子では1時間が普通ですね(笑)。 車では5分で済むところも、自転車では30分かかります。時間もかかるし目線も変わり、新しい発見があったりします。益子から海までは、約60㎞なので休憩を取りながら4時間で着きます。自転車は単なる移動手段ではなくて、ストレスを発散し、楽しむものとして考えています。 また、自転車をより楽しんでいただくために、自転車チームの活動や、ポターリングましこという自転車イベントの運営も行っています。

一はじめたきっかけはなんですか?

お客さまとの対話の中から、「せっかく買った自転車をもっと楽しみたい」という思いを実現するために一緒にサイクリングに行く事になりました。それが、今年27年目になる自転車チーム「チューリングましこ」の始まりでした。おそろいのユニフォームは、知り合いであった益子在住の絵本作家のいわむらかずおさんに依頼しデザインを作っていただき、ねずみのイラストからチーム名は「チューリング」と娘が命名しました。ねずみだけに冬眠している期間もありましたが、今では、毎週土日の早朝に益子周辺でサイクリングをしています。

  • お店の看板には自転車のタイヤが風車になっているユニークなオブジェがあり、通る人の目を引く。

  • 「チューリングましこ」のユニフォームのデザインは益子在住の絵本作家いわむらかずおさん

一一番大切にしていることはなんですか?

自転車は、集団で先頭を交代しながら走ることにより風の抵抗が減り、楽に走れるようになります。何より、仲間と励まし合い、楽しみを共有しながら走ることは、1人で走るそれとは一味もふた味も違ってきます。 チューリングましこでは、走りのマナーも身につけることと、初心者を中級者にすることを目標としており、中級者になれれば会社の同僚など仲間内でツーリングに出かけるときのリードする役になれるため、出かける選択肢が増えます。 初心者の人には、近場で風景が美しい「大郷戸ダム」や「道の駅」など目標を決めてそこまで頑張ってみよう、と声掛けを行い、すっかりハマっている人には、電車や飛行機で自転車を運んで旅先で楽しむ贅沢案を提案します。おせっかいでも、自転車をより楽しみながら続けてほしいと思っています。

一今後の目標を教えてください

益子は、車通りが少なく安全な道路も多いので、自転車を乗るには非常に適した土地だと感じています。小貝川沿いには、最近整備されたサイクリングロードもあります。地形は、農地に囲まれた平地あり、多数の山越えルートで激坂あり、豊かな自然あふれるダムや自然公園ありで、目的地になるカフェやパン屋さんもたくさんあるのでバリエーション豊かなコース設定ができます。最近オープンした道の駅や、季節ごとに楽しめる大規模花畑や紅葉も楽しみですね。のんびりと散策するのも良いし、短いコースを数周まわるレースもやってみたいですね。やりたいことが、たくさんあります(笑)。

アピールポイント

「ポターリングましこ」は2016年で4回目、ママチャリOKのどなたでも参加できる自転車イベントです。おいしいスイーツやランチを目指して観光エリアから豊かな里山、激坂までの多彩なポイントを回るコースを散策します。自転車で爽快に駆け抜けた後の食事は最高です。400名の参加者をおもてなしするスタッフとしての参加もできます。

エビコーサイクル
〒321-4217 栃木県芳賀郡益子町益子789
TEL 0285-72-3155  
http://ebikocycle.jimdo.com/

-コーディネーター紹介-

ポターリングましこは、子どもや初心者でも参加できる自転車イベントです。冷たい風がさわやかに吹き向けるなか、益子の美しい風景を見ながら駆け抜けるのはとても気持ちがいいそうです。大塚さんとお話しすると、自転車の魅力がひしひしと伝わってくるので、乗り始めたくなります。自転車のことがなんでも相談できる方が町にいらっしゃるのは安心ですね。

ID88 栃木県芳賀郡益子町

いわさきまきこ

岩崎真紀子

1986年生まれの益子町出身。学生時代は神奈川県ですごし、Uターンして益子町役場へ。小さな地域でもつながりにくいヒトやモノ、コトをつなぐことに必要性を感じ、2009年に町内の陶芸をはじめとするクリエイター、農家、勤め人ら有志でつくる地域コミュニティヒジノワの立ち上げに参加。以後、運営に関わっている。