一どんな活動をしていますか?
「束松を守る会」として、束松峠の倒木処分、草刈り、福島県天然記念物である束松の消毒をするなどの活動を行い峠道の保護活動に努めています。この会のメンバーは、現在25名ほどで、天屋・本名の両集落の住人代表が会員となっています。束松峠では、高寺地区地域づくり協議会が主催となって、毎年「束松ウォーキング大会」を開催しています。平成24年~平成28年の5年間は、福島県建設事務所が主催となって、東北芸術工科大学の学生・教員などと共に道普請を行いました。現在は、洞門までの道に階段ができたり、ぬかるみやすい場所に板や砂利が敷かれることで歩きやすい道にしました。
一はじめたきっかけはなんですか?
昭和60年に「高寺ふるさと興す会」ができたのがきっかけです。当時は、高寺地区全体で現在のような活動を行っていました。参加者が集まらず、参加するメンバーが決まってきてしまったことから、平成13年に「束松を守る会」として、天屋・本名集落の住民が活動を引き継いぐ形となりました。学生たちとの道普請は、県からの要請があってはじめました。1泊2日で来町するので、部落のお母さん方に協力いただきおもてなしをしました。お餅をついたり、名物のそばを振る舞い、学生等関係者には好評で、道普請が終わった今も交流が続けられています。
一一番大切にしていることはなんですか?
天屋・本名集落はもともと宿場町でした。束松峠を行き来する人々がたくさんいてよく賑わっていましたが、現在は、若者がどんどん町の中心地や町外に出ていきかつての賑わいはありません。しかし、ここを出ていったからといって彼らにとってはここが故郷です。彼らがいつ帰ってきたとしても魅力的な故郷としてあり続けるために、部落の誇りである束松峠の整備はこの先もずっと続けて残していきたいです。
一今後の目標を教えてください
束松峠を守る会は、天屋・本名集落の人が会員となり活動をしています。高齢化が進み、後継者が少なくなってきているので、今後どのようにこの会を続けていくのかが課題でありますが、1年手入れをしないだけで歩道として利用できないほどになってしまうので、今後も束松峠の整備を続けていき、誰がいつ来ても気持ちよく通れるようにしておくことが目標です!より多くの方に、束松峠の存在を知っていただき来て頂ければと思います。
アピールポイント
【束松峠】
江戸時代に、越後~会津を結び、人や物資の交流・流通に重要な役割を担っていた。現在は、「歩く県道」として残っている。環境省で準絶滅危惧に指定された「ヒメサユリ」が自生している。学生等と共に整備した道は歩きやすくなった。昔、村人が掘り抜いた洞門なども見ることができる。四季折々の景色を楽しむことができ、峠の茶屋からは、会津盆地が一望できるほど眺めが良い。高寺地区地域づくり協議会が主催となって、毎年「束松ウォーキング大会」を春と秋に行っている。町内外からたくさんの人が参加する。地区の方々と交流したり、手作り蕎麦や餅などの振る舞いを頂くことができるのも楽しみの1つだ。「束松ウォーキング大会」の詳細は随時 http://nivo.jp/takadera-k/ で発信している。
-コーディネーター紹介-
自分たちの故郷を思う気持ち、守り続ける地域の方々の姿はとても輝いて見えました!私自身、ウォーキング大会などで束松峠は1年に何度も訪れます。季節の移り変わりがはっきりしていて毎回違う姿を見せてくれるので、様々な発見や気付き学びがあり楽しみの1つとなっています。「いつ来ても通れるように」「魅力的な故郷としてあり続けるために」との思いで整備をしている、束松を守る会の方々がいるからこそ、こういった体験ができるのだとお話を伺って感じました。天屋・本名集落の方々や、その方々が守り続けてきた束松峠に会い、見に来てください☆