地域活性化は嫌いだった。今、「やるしかない」という気持ちに変わりはじめた。

三重県尾鷲市九鬼町

カワカミヨシオ

川上愛雄

三重県尾鷲市九鬼町出身。高校卒業後、東京で絵を学ぶ。30代のときに九鬼に戻り、森林組合に勤める。好きなものは、本とお酒とタバコ。

一どんな活動をしていますか?

九鬼共同組合の理事をしています。土日は、食堂「網干場」で皿洗いをしています。18歳のときに九鬼を出て、東京で絵の勉強をしました。今でも絵は描いていますね。食堂「網干場」の天井に飾ってある空の絵も、開店する際に描いたものです。

一はじめたきっかけはなんですか?

31歳のときに九鬼に帰ってきて、尾鷲の森林組合に勤めていました。正直言って、これまでは地域活性化といった言葉は嫌いだったんです。九鬼の町だって、住みたい人が住めばいい。その中で人口が減っていくならば、自然に逆らうことはない。そんな考えだったんです。でも、「網干場」に関わるようになって変わってきました。今は「とにかくやるしかないな」という気持ちです。

一一番大切にしていることはなんですか?

人と人の関係です。人を好きになる気持ちを大事にしていきたい。たとえば、以前、近所にどれだけ挨拶をしても返してくれない人がいました。その人にあきらめず挨拶をし続けていたら、ある日、ぽっと挨拶を返してくれたんです。その日から、道ですれ違うと挨拶してくれるようになりました。そして、道を歩いていたその人を駅まで車で送っていったことがあったんです。それから、その人がだんだんお菓子などを持ってきてくれるようになって…心がお互いに行き交うと変わっていくんだとそのとき思いました。

一今後の目標を教えてください

模索している最中です。古本屋は絶対やります。

アピールポイント

-コーディネーター紹介-

ID160 三重県尾鷲市九鬼町

とよだちゅうや

豊田宙也

1986年東京生。大学・大学院での哲学的思索のはてに、2014年9月より三重県尾鷲市の漁師町、九鬼で地域おこし協力隊として活動をはじめる。「飲食店がなくなってしまったまちに新たな集いの場をつくる」ことを目的として、食堂「網干場(あばば)」を立ち上げ、地元住民と結成したチームで運営している。任期終了後の定住を心に決めて、2016年度よりは九鬼町内会会長も務めるとともに、食堂「網干場」を中心に培った経験とネットワークを活かした創業を準備中。